わざわざ女優のヒップをカメラに収めようという時、そこには美学があるはずだ。
大森立嗣監督の「光」(17年/ファントム・フィルム)では、橋本マナミが団地妻を演じ、不貞相手に肌着をクイクイと割れ目に食い込まされながらヒップの肉をわしづかみにされて悶える愛欲シーンを披露している。
映画評論家の秋本鉄次氏によれば、「橋本がねちっこく口で男の全身を奉仕する汗まみれのカラミ」については艶っぽいが、「胸のトップは見えていません」とのこと。ところが、「行為を終えて立ち上がるシーン」で“丸っと見え”となるヒップが「そそるんです」とし、これが絶品の”和ヒップ”だと指摘する。
映画評論家・前田有一氏は、死人をマンションの一室に集めるSF作品「GANTZ」(11年/東宝)の中から、風呂場でリストカットによって亡くなったヒロインを演じた夏菜のヒップも絶賛する。前田氏によれば、亡くなったという物語の設定上、夏菜はマッパでマンションに運ばれてくるが、このシーンを成功させるため、夏菜は肌にラインがつかないよう何週間も肌着をつけずに挑んだという。その成果がヒップ好きには垂涎のシーンとなったそうだ。原作の漫画でも、作者の奥浩哉氏は胸とヒップに並々ならぬ意欲を持って描いていたそうで、「それが実写版で、見事な再現度100%だったんです」(前田氏)
そのシーンで夏菜は「くの字」で横たわっているが、間近にいた出演者は全員、ヒップの穴まで見ることができたのではないか、とまで妄想されるほどだった。
それはさておき、前田氏によると、「脱ぐことが前提の役者でない夏菜のような女優」がマッパになるということに「プレミア感がありますよね」(前田氏)とのことだ。
そうした意味で、新婚ホヤホヤだった当時の蒼井優が「宮本から君へ」(19年/スターサンズ、KADOKAWA)で肌魅せしたナマヒップもお得感がある。
恋人の体に舌を這わせてからの濃厚な口技、そして69の形になだれ込んで、ヒップの肉を揉まれながらの愛撫を受けるのだが、芸能ジャーナリストの平田昇二氏によれば、行為前に布団をどかそうとした際、ヒップを突き出す体勢になり、ピンクベージュの肌着越しに割れ目が見て取れるという。肌着をゆっくりと脱ぎ捨てるや、「生活感ある生々しさとでも表現すべき」な“無防備な既婚女性のヒップ”が堪能できるという。
同じく“妻のヒップ”といえば、やはり令和に入った20年公開の作品から、「ドクター・デスの遺産」(ワーナー・ブラザース映画)で北川景子が魅せてくれた。撮影中は時期的に妊娠中だったと思われる。前田氏によれば、同作は北川のヒップを「追い回した映画」だという。「刑事役で“できる女”に見せる演出」のためか、下がズボンになったタイプのスーツを着用しているが、「素材が薄手だからか」と前置きして、「意外にも大きくて柔らかそうな」ヒップが目立ち、「それをやたら後ろから映しているんです」という。動くたびに「柔らかそうな感触」が伝わってくるといい、手の届かない既婚の美人女優、それも脱いだことのない人のヒップを中心とした体のラインが「手に取るようにわかる」そうだ。最後に綾野剛相手に馬乗りとなるシーンまでもが、大腿部全出しでヒップの形がはっきりとわかる艶っぽさだったという。
脱がずとも伝わってくる、ヒップの魅惑に脱帽である。