主に中日で活躍した元プロ野球選手・川上憲伸氏が、自身のYouTubeチャンネル〈川上憲伸カットボールチャンネル〉に、阪神で活躍した元プロ野球選手・掛布雅之氏を招き、“プロとアマの違い”を語ったのは、11月29日付け投稿回でのこと。
川上氏によれば、大学(明大)時代にはコースを狙った球は打ち取れていたが、プロ1年目のキャンプ時のシート打撃で、狙いすましたコースの球もことごとく打ち込まれていたという。
しかし、そこはルーキーイヤーから14勝で新人王を獲得する活躍ができた川上氏。活躍できたのは、バッターのヨミ通りの球を投げるのではなく、ボールの時はボールを投げて…といった配球を覚えたからだとも語った。
すると掛布氏は、日本記録のシーズン401奪三振を達成するなど数々の実績を残してきた元プロ野球選手・江夏豊氏の言葉として、こう振り返っている。
「バッターとピッチャーの勝負で、江夏さんが広島カープにいる時に配球の話をしてね。『ピッチャーってのは“ボール”3つ投げられるんだ。そのボール3つの意味がわかるピッチャーは勝てる』って言うの…」
2ストライク2ボールの平行カウントで、もう1球ボールを投げられるといった余裕を持っていた江夏氏は、3ボール2ストライクとした際に、「最後の球は、『いちばんバッターの好きなところのボールを1個外すストレートを投げる』って言うわけよ。そこまで3つのボールの意味を考えて最後の勝負球を投げてくるんだ」(掛布氏)と改めて感心しながら語った。
そこへ「単品でストレートと変化球が良いというだけでは、プロ入って…」と口にした川上氏に、「生きていけないよね」と受けた掛布氏。
何ともハイレベルな“配球の妙”は、江夏氏自身からも聞いてみたい。同チャンネルに招いて、川上・江夏両氏の「投手の舌戦」も繰り広げてもらいたくなった。
(ユーチューブライター・所ひで)