待望のクラシック第一弾、桜花賞を来週に控え、今週は春の中距離王者を決定する大阪杯が行われる。
サンケイ大阪杯(OP)時代の1981年から3月末~4月第1週に開催されるようになり、それ以降、すでにGIを制した一線級の馬が増え始め、勝ち負けするようになった。
86年、GIIにグレードアップ。89年から産経大阪杯と名を変え、17年からはGIに昇格するとともにレース名が大阪杯となり、見応えある一戦となった。
今年の顔ぶれもなかなかで、その筆頭はエフフォーリアだ。
周知のとおり皐月賞、天皇賞・秋、そして有馬記念とGI3勝をモノにした昨年の年度代表馬。今年は海外にも目を向けており、その動向から目を離せないが、暮れの有馬記念勝ち以来、今季初戦となるだけに、仕上がり状態が気になるところである。
しかし、天皇賞・秋が5カ月ぶりの実戦だったように、仕上がり早で久々を苦にしない鉄砲駆けするタイプ。有馬記念のあと放牧に出され、ここまで順調に調教メニューを消化してきたことから、本来の姿にあることは、ほぼ間違いないだろう。鹿戸調教師も胸を張って言う。
「全てが想定内で予定どおりにきている。心身ともに成長し、デンと構えているのもいい。とにかく、またひと回りたくましくなった印象だ」
確かにノーザンファーム天栄から美浦トレセンに戻っての1カ月、調教量を徐々に増してきて、ここ2週の追い切りはリズミカルで軽快。1週前の動きも豪快で文句なしだった。
まさにつけ入るスキがなさそうだが、過去のデータからも、そのあたりがうかがい知れる。
馬単が導入されて以降、これまでの19年間、その馬単での万馬券は4回(馬連は2回)。この間、1番人気馬は8勝(2着4回)、2番人気馬は3勝(2着3回)。1、2番人気馬によるワンツー決着は2回のみだが、順当に収まっていることがわかる。
年齢的には4歳馬が10勝(2着6回)、充実の5歳馬が7勝(2着6回)と、他の年代を圧倒しており、やはり生きのいい実績馬から入るのが馬券の筋ということになろう。
さらに注目すべきは牝馬で、少ない出走頭数ながら4勝(2着1回)していることは見逃すべきではない。昨秋のエリザベス女王杯を制したアカイイト、昨年の覇者レイパパレの軽視は禁物だ。
馬券としては「エフフォーリアの2着探し」のGIとみるのが当を得てはいるが、穴党としてはやはり斜に構えてみたくなる。
期待したいのは、キングオブコージである。6歳牡馬ではあるが、決して無理筋ではないはずだ。
前走のAJCCが重賞2勝目。奥手と言ってよく、ここにきて地力強化されてきたのがいい。
「ゲート内でうるさくなって駐立に問題が出てきた中での勝利。調教で動くようになり、走りっぷりがよくなっている」と、厩舎スタッフは前走を振り返ったうえで、状態のよさを強調する。
名手・横山典騎手とのコンビも魅力で強みと言ってよく、阪神コースと相性がいいのも強調材料。1週前の追い切りも伸びやかで実によかった。
母系は欧州の一流血脈。血統的にみてもGI戦で勝ち負けして何の不思議もない馬。好勝負必至とみた。
穴中の穴は、スカーフェイスだ。この馬も同じ6歳牡馬で、奥手。年齢を重ねるごとにグングンと力をつけてきており、この中間もいたって順調だ。
スズカマンボ(天皇賞・春)をはじめ、ダンスインザダーク(菊花賞)、ダンスパートナー(オークス、エリザベス女王杯)など一族に活躍馬がズラリといる血統馬。もつれるようなら“一発”があっていい。