行動制限なしの日常に戻ってきたとはいうものの、コロナ以前のような賑わいを取り戻せていない夜の店もまだある。東京の下町エリアや大阪を中心に増えている熟キャバ店だ。
店によって異なるものの、熟キャバ店では20代後半から40代の女性キャストが接客。通常の若い女性が働く店に比べると、1時間3000~5000円程度とリーズナブルな値段で遊べることからここ数年、人気が出た。
そんな熟キャバ店が今、大ピンチを迎えている。理由は熟キャバホステス特有の過酷な労働環境が原因とも言われている。大阪の熟キャバ店に勤務する女性(39歳)は、現状を次のように明かした。
「セット料金が安いので飲みに行きやすいなんて言われていますが、キャストの時給や保証はひどいもんです。通常であれば、時給3000円以上、出勤したら客につかなくても最低3時間は保証時給をもらうことができます。それが現状は時給2000円ほどで、保証時間は1.5時間。あとは接客している時のみ換算されます。オープンから出勤しても、3000~4000円しか稼げない日もあります」
コロナ前は常連客も多かったため、それなりの日給をもらえることができた。ところが今は、1日に1~2組の新規客が入ればいい方なのだとか。キャバ店関係者が言う。
「熟キャバ店の客層は50代以上がメインなのですが、コロナ禍で一気に見かけなくなりました。たとえ規制緩和されようと、出歩くのは難しいという人、持病があってワクチンを打てないから飲みに行かない、というケースも多いですね」
実際に大阪の街を歩いてみると若者ばかりで、年配の姿はすっかり身を潜めたように見える。行動制限はなくなったとはいえ、感染者数が激減しているわけではない。熟キャバホステスにとっては、まだまだ苦しい状況が続きそうである。