工藤静香が98年以来となるNHK紅白歌合戦への出場を決めた。これに「なぜ今さら?」「選ばれる理由がわからない」と、選考の不透明さを訝る声が渦巻いている。実は工藤の紅白出場は規定路線だったと、芸能記者は言う。
「今年の紅白の目玉はデビュー50周年を迎えた松任谷由実、40周年の中森明菜のはずでした。ところが11月16日に発表された出場リストには、2人の名前はなかった。中島みゆき、竹内まりや、松田聖子といったビッグネームのサプライズ出演も微妙です。そこで浮上したのが、デビュー35周年を迎える工藤静香に、中島のカバー曲を歌わせるという『保険案』でした」
工藤は21年4月、22年8月と、2年連続でNHK BSの歌番組「The Covers」で、中島のカバー曲を披露。中島が13年ぶりに工藤のために書き下ろした「島より」も、NHKラジオ第一放送「ラジオ深夜便」の21年12月、22年1月期の「深夜便のうた」に選ばれた。紅白出場は1年前から「仕込まれていた」ことになる。
だが「深夜便」リスナーにはすこぶる不評だったようで、
「当時、中島には引退の噂がありました。『深夜便のうた』の駄作ぶりに、ファンの自分ですら、限界と引退を覚悟しました。今まで中島が提供していた『慟哭』や『黄砂に吹かれて』などアップテンポの曲調と違い、大衆ウケを狙ったスローバラードが、工藤の粘着質な声を際立たせてしまった」(音楽関係者)
中島は今年、古希を迎え、もう地上波テレビで歌うのは難しいのではないかと、テレビ関係者の間で囁かれているが、
「20年にラストツアーと銘打った全国ツアーが新型コロナの緊急事態宣言で中止となって以降、2年間も沈黙が続き、去就が心配されていました。この秋、サントリーの缶コーヒーCMに出演し、映画『Dr.コトー診療所』、ドラマ『PICU』のテーマソングを手がけ、中島自身が現役続行に意欲を示したことで、ファンも業界関係者も胸を撫で下ろしたばかりです。中島がかつて在籍したポニーキャニオンに籍を置く工藤が今後、中島の楽曲を歌い継ぐ段取りができているのかもしれません」(前出・音楽関係者)
工藤は中島ファンとNHK視聴者を納得させる歌唱を聴かせることができるか。