中国がエライことになっている。3期目に入った習近平体制による極端な「ゼロコロナ政策」への猛反発により、各地で暴動の嵐が吹き荒れているのだ。
直接のきっかけは、11月24日に発生した、新彊ウイグル自治区ウルムチ市で起きた火災だ。この火災で10人が死亡したのだが、「ロックダウン(都市封鎖)によって消火活動が遅れたのが原因」だと、SNSで拡散された。その後、暴動はコロナ発祥の武漢から首都・北京、上海、成都、広州にまで及んでいる。国際ジャーナリストが言う。
「4億人が行動制限を受けている、という報道も流れるほどで、今も不自由な生活を強いられています。感染者数は10万人を超えることもある日本より少ない、3万人程度。それでも厳しく隔離する政策を強行しているため、市民の不満が爆発するのも無理はありません。まかり間違えば、89年の天安門事件のような騒ぎが全国土で起きるのでは、と危惧する声もあるほどです」
コロナを恐れる政策の間違いと綻びはますます激しくなるが、習近平政権が、失政を認めることはない。同様に、日本でもたび重なるワクチン接種など、コロナ政策失敗に対する反発は大きくなりつつある。
ところで、中国で暴動が起きているのは新彊の火災だけが原因ではない、との説も広がっている。開催中のサッカーW杯との関係が取り沙汰されているのだ。
中国共産党はW杯中継のネット規制を行ったという。その理由は、
「中継を見れば、世界の観客がノーマスクで、大声で応援している、これを知った中国人はダマされたと気が付き、ゼロコロナの失策を指摘する。見せたらヤバイ、ということでしょうね」(ネットジャーナリスト)
だが、今やSNSで、簡単に世界中へと情報が発信される。規制してもムダだということに気が付かない方が、どうかしているのだ。規制すればするほど反発は大きくなり、
「世界2大大国の中国は、サッカーの世界では大きな後進国です。1回しかW杯に出場したことはありません。サッカーを強化しようとしても、国民性なのか育たない。習近平も本気でサッカーに向き合ってこなかった。それがハレーションを起こした結果とも考えられます」(前出・国際ジャーナリスト)
今のままでは盤石の習近平体制の3期目が、もろくも崩れ去る──。そんな日がやってこないとも限らないほど、事態は緊迫の一途を辿っている。