広島の新入団選手会見が12月12日に行われたが、新任・新井貴浩監督の呑気な発言に、関係者は苦笑いしている。
苫小牧中央高から投手でドラフト1位指名された斉藤優汰など、育成を含む10選手が勢ぞろい。会場で見守ったファンおよそ200人の前で意気込みを語ったが、肝心の新井監督は、なんとも気を抜いたコメントに終始したのだ。
新井監督は選手や関係者、ファンに対して「広島カープは12球団で最もアットホーム、家族的な球団。安心してください!」。
これには球団OBも、
「初っ端が大事なのに、油断させかねない」
と顔をしかめ、次のように語った。
「焦らずに準備して、来年1月の新人合同自主トレーニングに備えてくれ、という意味合いもあったと思うが、なんせ広島は12球団でいちばん練習が厳しいチーム。他球団の現役主力選手でさえ『カープにだけは行きたくない』と避けられるほど。気が優しい新井監督らしさといえば、それまでなのですが…」
勝負の世界が甘くないのは、ドラフト6位で入団後、血がにじむ思いで努力した末に2000安打を達成した新井監督が最もよく知っているはず。「名選手だったけど名監督ならず」の序章とならなければと、いささか心配になるが…。