オリックスからポスティングシステムで「5年総額約9000万ドル」という超大型契約で米大リーグ・ボストンレッドソックスへの移籍が決まった吉田正尚が、大阪市内のオリックス球団施設で会見を行った。
吉田正はまず、「名門チームの一員になれて光栄。ポスティングを認めてくれた球団には感謝しかありません。恩返しはプレーでぜひやりたい」と今の素直な気持ちを語った。将来的なオリックスへの復帰を問われて、「今からそんなことを聞かれも…」と苦笑いする場面も。
また、来シーズンはエンゼルスの大谷翔平との対戦も注目されるが、「そのときはテレビに映りそうですね。向こうに行って『大谷さん』の偉大さを感じた」と年下の大谷にあえて「さん付け」するほどパワーを感じたことも明かした。
夢を実現させた吉田正だが、喜んでばかりもいられない。このところの急激な大幅円高で、吉田正が受け取る年俸にも大きく影響が及んでいるからだ。在阪スポーツ紙記者が言う。
「吉田正がポスティングによる米大リーグ挑戦を正式に表明した11月2日時点で、円は1ドル148円で取り引きされていました。つまり『5年総額約9000万ドル』は、円換算すると約133億2000万円だったのです」
ところが、それからわずか1カ月後、ポスティングが米大リーグ側に正式受理された12月7日には、138円まで円高が進んでいた。
「円換算で約124億2000万円。吉田は何もしないまま、たった1カ月で9億円もマイナスになってしまったのです。もっとも、再び円安となれば『損』は取り返せますけどね」(前出・在阪スポーツ紙記者)
他人の財布の中身をあれこれ計算しても意味がないことは百も承知ながら、1カ月で9億円のマイナスとは、それだけ吉田正の契約が破格だったということか。