「大宮記念」◎平原康多/○郡司浩平/▲新山響平/△深谷知広/佐藤慎太郎/井上昌己/宿口陽一/中本匠栄/武藤龍生/高橋晋也/吉田有希/森田優弥
ラインは劣勢でも軽視できないのが、コース取りが巧みな追い込み選手だ。
「大宮記念」(1月19日【木】~22【日】)は、珍しくSS班に西日本の選手が見当たらない。東日本の各地区には力のある機動型がそろうだけに、見応えのある叩き合いも期待できそうだ。
主役は埼玉のモンスター・平原康多しかいない。昨年までここを3連勝、トータル6度の優勝を誇る。関東は森田優弥─平原─宿口陽一の大宮トリオに、マーク巧者の武藤龍生が加われば鉄壁の4車ライン。平原が番手から踏み込み4連覇を成し遂げ、立川記念準決勝敗退の無念を晴らす。
対抗は深谷知広につける郡司浩平。たとえ2車でも結束は固く、チャンスに仕掛けて平原に肉薄する。
あとは屈指の先行力を誇る新山響平と、前でやり合い、ハイペースになった際の深谷のまくり一閃を警戒する。
差し脚鋭い中本匠栄は、道中の位置取りしだいだろう。九州は劣勢だが、簡単にはギブアップしない。コースが空けば車券に絡む。
平塚GPのS級戦で〈2〉〈1〉〈6〉と活躍したのが佐々木豪だ。それほど人気にはなりそうになく、気楽に走れるだけに押さえておきたい。
【大穴この1車】山根将太(岡山・119期)。
直近4カ月の決まり手は逃げ100%。まさに韋駄天そのものだが、バックで先頭に立っていなければ的中は諦めたほうがいい。今年初戦の別府(〈2〉〈6〉〈2〉)は初日が3連複で1万6700円、3連単は9万3640円。最終日の3連単も1万円超と、ビッグなお年玉をファンにプレゼントした。記念は12月の広島(〈3〉〈9〉〈1〉〈5〉)で初日に5万円超、高松(〈4〉〈9〉〈2〉〈5〉)の3日目に2万円オーバー。東日本では5月函館記念(【2】【5】【4】【2】)の初日に7万円超を演出。2、3着で1本ヒットしたら手じまいだ。
【狙い目の伏兵3人】
太田龍希(埼玉・117期)が、そろそろブレイクするのではないか。記念はまだ2次予選止まりだが好走している。99年のグランプリで優勝した父の真一(A1)が師匠。勢いに乗れば大暴れがある。
太田と同県、やはり父の健二さん(引退)が師匠の中田健太(99期)は、ゴール前の粘りが持ち味。前を託す先行が引っ張れば突き抜けがある。
昨年10月に特昇し、S級初戦の高松で〈1〉〈2〉〈1〉と、いきなり優勝したのが橋本瑠偉(栃木・113期)。決勝戦では有力候補の森田優弥を4着に沈めている。予選は突破する。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。