寒波襲来もなんのその、中央競馬は毎週、熱戦が繰り広げられているが、ファンの目は2人の騎手にも注がれている。1月が終了した時点で連対率64%のロケットスタートを決めた川田将雅騎手と、45鞍に騎乗して1~3番人気馬を15回も着外に飛ばしているC・ルメール騎手だ。そこで今回は「儲かる川田」と「損するルメール」を徹底検証する。
昨年、初のリーディングジョッキーに輝いた川田将雅騎手(37)は、新年早々から怒濤の快進撃を見せている。スポーツ紙デスクも舌を巻くばかりだ。
「1月22日の中京では、騎乗した6レース全てで連対し、前日の10Rから8戦連続連対を記録。1月29日終了時点で16勝をあげ、東西リーディングこそ17勝の横山武史(24)に譲っていますが、驚くべきはその信頼度です。勝率28.6%(横山武は20.7%)で連対率は64.3%(同29.3%)。複勝率はなんと75%(同37.8%)に達しています」
川田の好調ぶりは何も今に始まったことではない。本誌「WIN5」連載でもおなじみの競馬評論家・伊吹雅也氏が解説する。
「15~18年の3着内率が43.2%に対して19~22年は56.5%までアップ。昨年だけではなく、19年からの3年間、好走率自体は17年から5年連続で東西リーディングに輝いたC・ルメール騎手(43)と互角でした。ただ、ルメール騎手とは騎乗数に大きな差がありましたからね。勝利数で上回れなかったのも、仕方がないところでした」
昨年の川田はJRA最多勝利だけでなく、最高勝率と最多賞金獲得の3部門で1位となり「騎手大賞」に輝いた。過去、この賞を受賞したのは岡部幸雄(2回)と武豊(9回)、そしてルメール(2回)の3人だけだ。
一方のルメールは、1月28日から得意の東京に舞台が替わって1日6勝の固め打ちをするも、翌日は未勝利と精彩を欠いている。
「AJCCで単勝1.8倍の1番人気ガイアフォースを5着に沈めたように、今年の重賞は〈14〉〈5〉〈3〉〈5〉〈14〉着。フェアリーSや根岸Sもそうでしたが、気がかりなのは4着以下に敗れた26レース中、2桁着順の大敗が8レースと目立つ点です」(スポーツ紙デスク)
昨年は騎乗数が減ったため、21年より勝利数を90も落としたのは仕方がないとしても、好走率は落ち込み傾向にある。
「去年の3着内率は47.8%。これはJRAに所属したばかりの15年頃と同じぐらいの水準。一時期、6割近くに達していたことを考えると、かなり深刻な事態と言えるでしょう。世間の評価はまださほど下がっておらず、好走率だけが急落した結果、22年は単複の年間回収率でも15年以降、自己最低の数字です」(伊吹氏)
JRAGIを43勝しているルメールとはいえ、すでに危険水域に達していると思えるのだが──。