ワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)東京プール広報事務局は3月3日、侍ジャパンの初戦となる中国戦(3月9日)の始球式を、サッカー日本代表・森保一監督が行うと正式発表した。
森保監督は「侍ジャパン、そして日本が世界一を目指して熱くなるための一助となれるよう精一杯務めさせていただきます」とコメントしているが、実は「辞退」するはずだったのだ。
森保監督のWBC始球式は、正式決定前に一部メディアが報道。この時は「まだ何も決まっていないんです」と困惑しきった表情で話していた。その理由は同日同時帯に、経産省から依頼された仕事のオファーを受けていたためで「どう調整しても、東京ドームの始球式の時間には間に合いません。お断りの方向で動いている」と、日本サッカー協会の関係者も明言。
始球式の正式発表前日、森保監督は日本プロスポーツ大賞の特別賞を受賞した際の席でも「(始球式は)本当に決まっていない」と話していたのだが、これが土壇場になって決行となったのだ。スポーツ紙記者がその裏側を明かす。
「森保監督は小学5年生まで、本気でプロ野球選手を目指していた野球少年でした。昨年、都内レストランで食事をした際、偶然にも巨人の原辰徳監督が居合わせ、食事が終わるまで店のレジ前で直立不動で出待ちをするほど、熱烈な原ファンです。また元広島の野村謙二郎氏とも交友関係を持っている。しかも、中国戦の翌日の日韓戦で始球式を行うことが発表されている岸田文雄首相とも、J1広島監督時代から交流がある。こうした状況下、森保監督の意向が強く働き、始球式が実現したと思われます」
となると、森保監督にとってはW杯より緊張する、夢の舞台となりそうだ。
(小田龍司)