金正恩総書記の娘、キム・ジュエの「態度」をめぐり、北朝鮮人民の感情が乱高下している。いったいどういうことかといえば、
「そのファッションを見た北朝鮮人民から、怒りの声が上がったことがきっかけでした」(国際政治ジャーナリスト)
4月18日、父親とともに国家宇宙開発局を視察した際、中国製の安いブラウスを着用。以前はそうではなかったはずだ。
というのも3月16日に、ICBMの発射に立ち会った彼女が着ていたのは、高級ブランド「クリスチャン・ディオール」のコート。これが国民感情を逆撫でしたのである。
昨年11月、正恩と手をつないだジュエは、初めて公式の場に登場。当時はまだ幼い「プリンセス」に、好意的な視線が向けられていた。これに安心、いや、思い上がったのか、金正恩とジュエは高級コートを羽織って人民の前に現れた。完全に裏目に出てしまった形だが、
「北朝鮮では人民に、国産品の使用を推奨しています。そもそも慢性的な貧困にあえぐ人民が、ブランドものの時計やアクセサリーなどの贅沢品など買えるはずもない。飢え死にが常態化する北朝鮮社会で、いくら正恩の娘とはいえ、まだ10歳とされるジュエが高級ブランド服を自慢げに着ていれば、ブーイングが出て当たり前。一方の正恩も、ふだんは人民服やジャンパーを羽織い、庶民派をアピールしていますが、150万円以上するスイスの腕時計をしていることが確認されています」(前出・国際政治ジャーナリスト)
そんな反発を知ってか、慌てて質素な姿へと急変したわけだが、大の高級ブランド好きの独裁者だけに、これがいつまで続くかはわからないのだ。
(ケン高田)