「『サンジャポ』を乗っ取られ、『5時に夢中!』を乗っ取られ、最年長グラドルの座も奪われたわ。早く死んでほしい」
90年代に「ハイレグの女王」として世の男を虜にした岡本夏生。毎度おなじみのリップサービスなのか、はたまた、ついポロッと出た本音なのか。この過激な発言は、彼女が13年3月12日、都内で行われた恐竜アドベンチャー映画「ダイナソー・プロジェクト」公開記念イベント後の囲み取材で放ったものである。
この日、恐竜の着ぐるみ姿で登場した彼女は、アフリカ・コンゴの秘境で消息を絶った冒険家一行が、6500万年前に絶滅したはずの恐竜に遭遇する、という作品について、
「最初の30分はクソつまらない。CGもチャチだし。でもそれを我慢すれば、恐竜に会えます。恐竜って目がかわいいの。どこかに恐竜のような男性はいないかしら」
のっけから岡本節を炸裂したのである。
「私は仕事なら何だってやりますよ。前進あるのみ」
と怪気炎を上げるものの、
「もう、生涯の伴侶はいらない。ただ、自称47歳。毎朝鏡を見て、老けたなと実感しています。二の腕も丸くなっちゃって…」
ここで飛び出したのが冒頭のセリフなのだが、「死んでほしい」のは壇蜜だった。
グラドルとして男性誌を席巻し、バラエティー番組でも頭の回転の速さを生かした絶妙な「下品すぎない下ネタ」で頭角を現していたからだ。これが翌日のスポーツ紙に、大きくクローズアップされることになる。
とはいえ実際の岡本は、2011年に発生した東日本大震災以降、時間が許す限り被災地の仮設住宅を訪れ、地元に支援金を送るなどの活動を継続。レギュラー出演する「5時に夢中!」は、2週にわたって彼女の支援活動に同行した。視聴者からは大きな反響が寄せられたものだ。
だが、岡本をよく知る民放局ディレクターは筆者の取材に、苦笑いしてこう言った。
「彼女は基本、真面目でサービス精神旺盛。ただ悲しいかな、最大の欠点が『笑い』のサジ加減が全く分からないことなんです。『サンジャポ』降板は、みのもんたの次男逮捕を受けて『往生際が悪い。引退しろ』と発言したことがきっかけですし、フジテレビが使わなくなったのも『とくダネ!』のMC・小倉智昭の『カツラ疑惑』に言及したことだとされています。業界にいれば、テレビ局とこの2人の関係の深さがわからないはずはない。そこを一切の忖度なしでズバズバ発言するわけですから、テレビ局が『怖くて使えない』と判断するのは当然の事でした。いわば降板は時間の問題だったわけです」
岡本はその後、「5時に夢中!」で4年間共演したMCふかわりょうに対し「同意なしにキスされた」として「1円の損害賠償」を請求。21年4月に岡本が勝訴した。結果、この件で彼女とテレビ局との距離は、さらに広がることになってしまったのである。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。