阪神タイガースは5月23日のヤクルト戦(神宮)に、6-3で勝利。3連勝で、貯金は今季最大の12とした。
この日は3番のノイジーが本塁打を含む2安打5打点の大活躍だったが、その原動力は1番・近本光司と2番・中野拓夢の選球眼にあると、スポーツ紙デスクは言う。
「この日は近本、中野がともに2四球を選びました。3回は先頭打者の8番・木浪聖也が二塁打で出塁すると、近本が四球、中野がヒットで満塁とし、ノイジーの先制2点タイムリーを呼び込みました。1点差に迫られた7回には、先頭の近本、中野が連続四球を選ぶとノイジーが3ラン。木浪も含め、塁に出る人が出て返す人が返すという理想通りの攻撃ができたといえます」
野球解説者の谷佳知氏は「デイリースポーツ」のコラムで、次のように評した。
「1、2番が塁に出ることで、中軸が走者を返すという仕事に専念できる。役割分担が打者の心にも余裕を生む」
今季20個目の四球を選び、既に昨季の四球数を超えた中野については、
「打席でのしぶとさを感じる。昨年は少し荒さもあった印象だが、今年は粘りも出てきて淡泊さがなくなった」
岡田彰布監督も「昨年1年分(の四球)を超えたんやろ」と、守備も打撃も確実に成長しているWBC戦士にご満悦だ。
近本はヤクルト・村上宗隆と並んで、セ1位の27四球。阪神の大山悠輔、佐藤輝明に続いて、中野が5位の20四球。チーム167得点はDeNAに続いて巨人と2位タイで並んでいる(いずれも5月23日時点)。
守備力、得点力の向上と12球団随一のピッチングスタッフの働き。現在の阪神に「アレ」への死角はなさそうなのである。