元タレントの上岡龍太郎氏が、肺ガンと間質性肺炎のため、大阪市内の病院で5月19日に死去していた。享年81。
上岡氏は横山ノック、横山フックと1960年にトリオ漫才「漫画トリオ」を結成。68年の解散後は「探偵!ナイトスクープ」(ABCテレビ)の初代局長を務め、「鶴瓶上岡パペポTV」(日本テレビ系)、「上岡龍太郎にはダマされないぞ!」(フジテレビ系)など数多くの番組で活躍。だが、以前からの公約通り、2000年をもって、惜しまれつつ芸能界を引退した。
上岡氏は「ゴルフはやりません」と言いながら、芸能界を引退してからはゴルフ三昧の生活を送ってみたり、「マラソンなんかしません」と言いながらマラソンを好み、マウイマラソンの第25回大会(95年)からは冠スポンサーになるなど、天邪鬼な一面も…。
訃報が日本を駆け巡った6月2日、野球解説者の田尾安志氏は自身のYouTubeチャンネル〈田尾安志【TAO CHANNEL】公式YouTube〉で、その交流について語っている。
テレビ番組の共演が縁となった田尾氏は、幾度となくマラソンをともに走っており、
「上岡さんは自然体なんですよね。何時間で走るぞとか、そういう目標はあまり立てない」
マラソン大会のスタート地点で、ランナーにひと言、上岡さんが挨拶をする機会があったという。その言葉というのが、
「皆さん、もう目標は9割達成しました。スタート地点に立つだけで、9割の目標は達成しています。ここに立つまでに、みんな色んな努力をしてきた。それは9割に値するんです。あと完走するかしないかは1割のものなんです」
どのスポーツでもそうだろうが、マラソンにおいても健全な状態でスタート地点に立つ人は、市民ランナーにも多いわけではなかろう。少なからず、膝や足首などに違和感や問題を抱えているものだ。
そんな市民ランナーを励ます、温かみのある言葉だったのだ。上岡氏のご冥福を心からお祈り申し上げます。
(所ひで/ユーチューブライター)