「ひと月に1回、○○○(某大型書店)に行って、運転手に『1時間したらまた迎えにきてくれ』って言って、1人で入って行って、バーっと目に入った本をたくさん買うんだ」
これ、以前に殿から聞いたことのある、「たけし流本の購入法」です。さらに、
「いつも行くコーナーがだいたい決まってて、同じところで本を選ぶから、私服で万引きの警備なんかしてるおばちゃんと仲よくなっちゃって、『たけしさん、先月は来ませんでしたね』なんて会話なんかしたりしてよ‥‥」
だ、そうです。
そこで今回は、「殿と読書」について書かせてください。
殿は、幼少の頃、母・さきさんの教育方針で、参考書以外の本をまったく読ませてもらえず、殿いわく、「漫画や小説を読んでたら、すぐに拳が飛んできた」そうです。
そうした経緯もあってか、わたくし、殿が小説を読んでいる姿をほとんど見かけたことがございません。
じゃー、たけしさんはどんな本を読むの?
はい、もうこれは圧倒的に数学の本です。
殿の数学好きは、去年までフジテレビ系で深夜に放送されていた「たけしのコマ大数学科」で、ご存知の方も多いと思います。
で、殿はただ数学の本を読むだけではなく、一時期、小学生レベルの英語で書かれた算数の本を大量に買い込み、勉強されていたこともありました。「英語と算数が両方学べて、一石二鳥なんだ!」byビートたけし。すげ~。
とにかく、殿の数学に対する思い入れと、知的好奇心は尋常でなく、酒席などでも、さっきまでカツラやチンポの話をしていたかと思えば、いきなり、
「今読んでるフィボナッチ数列の本が面白くてよ、&%%$#‥‥」
と、埼玉の下から数えたほうが断然早い、県立高校中退のわたくしには、到底わかるはずもない数学談議を、夢中になって話されることが多々あります。
さらに、数学談議がひととおり終わると、今度は「水素爆弾の作り方」なんかを、元素記号を駆使し、熱く語られたりもされます。
で、やはり酒席などで、
「もし漫才師になってなかったら、物理学の道に進んで、きっとノーベル賞なんか受賞してたな」
といった、“冗談で言ってはいるが、まんざらでもない”といった発言を何度か聞いたことがあります。