6月に入り、日本列島各地が梅雨入りした。今年の夏もエルニーニョ現象に伴い、世界各地で異常気象が懸念されるが、西日本の日本海側で降水量が多くなる傾向があることから、またもやゲリラ豪雨の不安は募るばかりだ。
そんな豪雨と強風の後に発生するというのが、空からカエルや魚が降ってくるという「ファフロツキーズ」と呼ばれる怪現象だ。中米ホンジュラス北部にあるヨロという町では、毎年5月から6月の激しい嵐の後、大量の魚が雨のように空から降ってくる「魚の雨」現象が記録されている。
実は同様の現象が世界各地で発生していることもあり、単純に都市伝説では片づけられず、専門家による調査が進められている。超常現象研究家が内情を明かす。
「オーストラリアのタナミ砂漠北端にある町、ラジャマヌでも過去に数回、同様の現象が発生しました。2010年、激しい豪雨の後に、生きた小さな魚が空から落ちてきたと報告されています。同様の『魚の雨』は、クイーンズランド州ヤワでも2020年に報告がありますが、現地の魚類学者によれば、落ちてきたのはスパングルド・パーチという、この地域ではごく一般的な淡水魚。気象専門家の見解では、竜巻や突風などの強い上昇気流によって海や川の水が巻き上げられ、同時に吸い上げられた魚が数百キロも離れた場所に移動して、雨とともに降った可能性があるのだと。ただ、これはあくまでも仮説で、正確な原因はまだ判明していないのが現状です」
日本でも2009年6月に石川県七尾市中島町で、オタマジャクシが空から大量に降ってきた騒動があり、その数日後には、中島町から南へ約15キロほど離れた中能登町でも、フナとみられる3~5センチ程度の小魚が大量に死んでいるのが見つかっている。これは「日本版ファフロツキーズ現象」として報道されたが、
「この時に専門家が唱えたのが、竜巻の通り道に川や水田があり、オタマジャクシなどを巻き上げたのではないかという説でした。ただ、竜巻が発生したのであれば、周辺住民は強い風を感じているわけですし、他にも被害があったはず。ところが当日は、そういった地元住民の声はなかった」(地元関係者)
鳥類の専門家いわく、オタマジャクシやフナを一度に大量に呑み込んだサギなどが、カラスの接近に驚いて吐き出すことがあるという。これについても、
「当然、ある程度は消化されているでしょうから、全てが原形を留めているというのは、説明がつかない。つまり竜巻説、鳥吐き出し説ともに可能性はあるものの、決め手がなく、謎がさらに深まってしまったわけです」(前出・超常現象研究家)
日本でも江戸時代の百科事典「和漢三才図会」に「怪雨(あやしのあめ)」として記述されているファフロツキーズ現象。はたして真相が解き明かされる日は来るのか。
(ジョン・ドゥ)