日本中が2大トップに熱視線を浴びせている。後半戦に入っても3戦連発でホームラン王を独走する大谷翔平。かたや、名人のタイトル獲得後も抜かりなく棋聖戦を防衛し、史上初の八冠制覇を見据える藤井聡太。目下絶好調の「二刀流」と「最年少七冠」の私生活を覗き見すると、意外な共通点が見えてきた。
「朝食後に二度寝する」
今や全米メディアが一挙手一投足までを注目しているエンゼルス・大谷翔平(29)。グラウンド外の私生活に関してスポットが当たったのが、7月11日(日本時間)のオールスター前夜の会見だった。普段は聞かれないナイトゲーム当日のルーティーンについて、記者から質問が及ぶと、大谷の口からは衝撃的な発言が飛び出した。
「ホームの時は、朝9時半か10時くらいに起きて、朝ごはんを食べて寝て。また起きて、球場に行ってまたご飯を食べて」
日本ハム時代から睡眠を重視し、10〜12時間の睡眠時間を確保していたというが、年間162試合を戦うハードスケジュールのメジャーでは、「二度寝」によって睡眠不足を補っていたのだ。
メジャー担当記者もこう証言する。
「大谷はエンゼルスタジアムから車で20分ほどの場所に住居を構えているが、球場入りするのは2時過ぎ。ギリギリまで睡眠時間に充てているようです。ちなみにビジターの場合には、チームで一緒にバス移動となるため、球場入りし、食事した後にやはり仮眠室で寝ています。17連戦など地獄のスケジュールが続く場合にはグラウンド練習には出ず、2時間ほどたっぷりナップタイム(昼寝)を取っているようです」
MLBに詳しいスポーツライターの友成那智氏もこう証言する。
「大谷は睡眠こそ二刀流の源泉とばかり最も大事にしている。メジャーではどの球団も専用機を球場近くの空港にとめ移動しているが、それでも東海岸から西海岸への移動は6時間程度かかる。飛行機の中で、多くの選手は酒を飲んだり、カードゲームをしたりしてくつろいでいるが、大谷はシートを横にして一人睡眠チャージしているのです」
果報は寝て待てというが、全米を飛び回る大谷にとっては「寝ることは重要な仕事のうち」に違いない。
しかし、睡眠以外にも大谷独自のルーティーンがあるという。
「登板日に大谷は、2キロから100グラムまでの重さの違う6種類のカラーボールを壁投げしてウォーミングアップ。登板しない日は、バッティング練習をあまりせず、すぐに球場の映像室に入ってしまう。普通、打者はバッティングの状態を確認するためにフリー打撃に最も力を入れます。ところが、大谷は、映像室で先発ピッチャーの動画を見てボールの軌道をチェックするだけ。なんでも打撃練習はボールを置いたティー打撃練習をするだけで、十分メジャーのスピードボールに対応できるそうです」(メジャー記者)
常人離れした大谷の目には160キロの剛速球も止まって見えるのだろう。
オールスター後の会見では、他に類を見ない二刀流の調整法に関し、こう答えている。
「睡眠と練習の仕方。効率よく練習して、動きすぎない。そこが一番かなと思います」
練習は省エネでも、試合ともなれば、塁間4秒の全力疾走を生み出す秘訣になっているのだろう。
他にも大谷のルーティーンは尽きない。MLBライターが打ち明ける。
「オールスター前の登板では右手中指を痛めてしまったが、魔球スイーパーなどスライダーを多投すると親指の爪で他の指を弾いてしまうことがある。登板2日前に必ずヤスリで爪の手入れを行うのです。十分にケアしていても指の事故を完全に免れることはできないようですが‥‥」
ケガなく後半戦を終えることができればホームラン60本超えも夢ではないはずだ。