マジックが点灯して「アレ」へとひた走る阪神タイガースに、厄介な問題が横たわっている。佐藤輝明がまたしても大不振で、2試合連続のスタメン落ち。8月17日の広島戦は7回2アウト満塁で木浪聖也の代打で登場してファンの大声援を受けるも、レフトフライに倒れた。打撃不振の理由を、球団OBはこう解説する。
「スイングの始動が遅いためストレートにタイミングが合わず、差し込まれるシーンが多く見られます。体の前で捌くよう指導されていますが、うまくいっていません。人並み外れたパワーを持っているのに、そのパワーを過信しすぎて腕力だけで振っている。スイングに柔らかさが足りないので、巨人の岡本和真やヤクルトの村上宗隆のように懐を深くして待ち、来る球に対応しないと打てないですよ」
野球解説者の高木豊氏は自身のYouTubeチャンネルで「練習をいかにやるかだよ。まだ練習が足りない。練習量とか経験とか、総体的な裏付けが足りない」と厳しく指摘する。在阪メディア関係者も言う。
「1年目から24本塁打で、悪い方向に自信をつけてしまいました。謙虚さやガムシャラさが減っています。メディアや周囲からチヤホヤされ、コロナが明けたことで支援者やスポンサーから、夜の会合への誘いが頻発しているといいます。能力が高いだけに、このまま埋もれてしまうのはもったいない。うつつを抜かすことなく、野球だけに没頭してほしいのですが…」
ルーキーの森下翔太や高卒2年目の前川右京ら、佐藤の代わりになりそうな中軸打者が育ってきている。18年ぶりの「アレ」へカウントダウンに入ったチームだが、悩めるサトテルはガケっぷちの戦いを余儀なくされている。