左ワキ腹の肉離れで離脱していたロッテの佐々木朗希が、9月10日のオリックス戦で復帰登板した。7月24日のソフトバンク戦以来、48日ぶりのマウンド。初回、二死三塁のピンチで森友哉にレフト前タイムリーを浴びて先制点を与え、3イニングを45球で2安打1失点だった。佐々木は次のようなコメントを残した。
「大きいケガにならないように気をつけたい。いちばんいい時に比べたら、劣るのは当然。今日は今日なりの最低限。シーズン中に戻れてよかった」
全治2カ月と診断されていたケガは、驚異的なペースで調整。イースタンリーグでは登板せず、リハーサルなしで1軍マウンドに立った。10月中旬からのクライマックスシリーズで万全の投球をするために、レギュラーシーズン終了前に間に合わせた形だ。4位転落の危機も出てきたチーム状況もあり、次回先発までに登録抹消はしないという。スポーツジャーナリストが危惧する。
「一度完治しても、ワキ腹は繰り返し痛めやすい箇所です。もう少し時間をかけてリハビリしてもよかったかもしれません。電撃的な早期復帰登板が、大ケガにつながらなければいいのですが…。9月の日曜日、本拠地開催ということで、観客を集めたかった意図もあるでしょう。チーム状態が悪く、閉塞感が漂っていましたから、佐々木を出すことで払拭したかったのかもしれません」
投球内容にも不安が現れていた。
「ストレートは160キロを超えていましたが、キレがあまりありませんでした。森にタイムリーを打たれた球は161キロ。いい時の躍動感はなく、これからもう少し注意深い調整をしてギアを上げていくことが大事でしょう」(前出・スポーツジャーナリスト)
完全復調はまだ先。焦らずベストの状態にもっていってもらいたい。
(田中実)