19年3月からJRAが実施している女性騎手の負担重量減量制度。特別競走やハンデ戦以外では通算50勝以下が4キロ減、100勝まで3キロ減、101勝以上でも永久的に2キロ減で騎乗でき、現在6人が活躍しているが、最近は穴馬券に絡むことも増えてきた。秋競馬は女性騎手の買い時を見極めて、大儲けだ!
今年でデビュー3年目となる永島まなみ(20)が勝ち鞍を量産中だ。美浦担当のスポーツ紙記者が話す。
「7月の中京で自己最多となる年間22勝目を挙げたあとも好調ですね。現在32勝で東西リーディングは28位(10月15日時点)。ベテランのノリさん(横山典弘、55/29勝=32位)や池添謙一騎手44/24勝=38位)よりも順位は上です」
永島は通算60勝ということで今は▲マークの3キロ減(51勝以上100勝以下)で騎乗しているが、10月14日の新潟11Rの千直・飛翼特別では、減量の恩恵がない56キロを背負い、10番人気馬で鮮やかに差し切ってみせた。週刊アサヒ芸能連載でおなじみの伊吹雅也氏が話す。
「今年の2月以降に限ると、父にディープインパクト系種牡馬を持つ馬とタッグを組んだ際は〈7 5 4 39〉で3着内率が29.1%(複勝回収率107%)。父がストームキャット系種牡馬も〈7 3 1 26〉で29.7%(同107%)と、現在の日本競馬界において主流の父系の馬で好走しています。これらの血統を手のうちに入れたからこそ、成績が良化しているのでしょう」
ちなみに父ディープ系の種牡馬は、すでに後継馬として結果を残すキズナやミッキーアイル。サトノダイヤモンドやリアルスティールなどもそうで、父ストームキャット系はヘニーヒューズやアジアエクスプレスはもちろん、ディスクリートキャットやドレフォン産駒からも目が離せない。
「単勝49.4倍の10番人気で勝った飛翼特別も、アジアエクスプレス産駒のアジアノジュンシンでしたし、今後も期待していいのではないでしょうか」(伊吹氏)
新潟の千直といえば、デビュー8年目の藤田菜七子(26)を思い浮かべるファンも多いだろう。
「今年は所属する根本厩舎の管理馬に騎乗したレースが〈5 8 4 52〉で3着内率24.6%(同83%)。前走の4角4番手以内だった馬が〈5 7 7 54〉で3着内率26.0%(同129%)。自厩舎の馬や先行馬で好成績を収めていて、まるで新人ジョッキーのようですね。心機一転というか原点回帰というか。何か心境に変化があったのかもしれません」(伊吹氏)
9月18日中山8R、ヨリノサファイヤで4馬身差の完勝劇を演じ、根本調教師に区切りのJRA通算200勝をプレゼントしたのも愛弟子の藤田だった。
「菜七子がここ数年不振だったこともあってか、先生は『弟子で200勝を決められたことをうれしく思います』とニコニコでした。菜七子は4年目の19年に43勝を記録したものの、翌年の落馬事故の影響で21年は14勝、昨年は8勝止まり。ただ、昨年は栗東を拠点にしたり、今年はエージェントと毎週のように反省会をしていて、6月17日東京4Rでは11番人気のディーンを積極策で3着にもってくるなど、好騎乗も見せています」(スポーツ紙記者)
さらに、自身7回目の海外遠征もモチベーションアップにつながっているようで、
「9月24日、スペインのサルスエラ競馬場で開催された国際騎手招待レースに参戦。20年は鎖骨骨折で断念していただけに『また招待していただけてうれしいです』と話していたし、海外の女性ジョッキーとの久しぶりの再会を喜んでいた。初のスペインでの騎乗のあともフランスに飛んで、凱旋門賞を観戦するだけでなく、現地の厩舎で調教に騎乗。伝え聞いた日本人オーナーの馬で、サンクルー競馬場でのフランスデビューも果たした。帰国後の10月9日東京8Rでは、格上挑戦の未勝利馬(6番人気)を初勝利に導くなど、好調ムードと言えるでしょう」(スポーツ紙デスク)
新潟の最終週や次の福島開催では要注目だ。