80年代、ドラマ「毎度おさわがせしますⅢ」(TBS系)や映画「ビー・バップ・ハイスクール」で存在感を発揮し、ヘルシーな笑顔で人気を博したタレントの立花理佐(52)。そんな彼女に突然、病魔が襲いかかってかかっていたのである。
それまでも毎日のように投稿していた公式ブログに、「告白」と題した記事を投稿したのは、11月24日のことだった。その内容は、20年に直腸がんと診断され、腸、子宮、卵巣、膣の摘出手術を受けたという衝撃的なもの。手術から3年目の現在は再発もなく順調に回復しているというが、その間の本人の心身への痛みや苦悩、恐怖は計り知れないだろう。
それまで健康的なイメージしかなかった彼女を襲った直腸がん。我々はいかにして気をつけるべきなのか。健生会土庫病院・大腸肛門病センターの横尾貴史医師は「直腸がんは基本的に、症状が進行するまで自覚症状を感じることができない」と言うではないか。
「進行してしまって出る症状は場所によって異なり、お尻に近いところでがんが進行すると、腸閉塞を起こす、もしくは出血を起こす。大腸の右側で進行した場合、最後の最後まで症状が出ない場合もあります」
立花は11月29日にもがんについてのブログを更新、母親が〈ずっと痔だと思って〉病院に行かず、大腸がんで亡くなってしまったことを明かしている。
「血は出ているけど痔だと思っていた、というケースはよくあります。さらに、肛門科に行き医師から痔の診断をされたのにもかかわらず、後で奥まで調べてみると直腸がんだった、というパータンもあるのです」
横尾氏のもとを訪れる患者で最も多いのは、「便潜血検査でひっかかったから」。
「そこで陰性だから大丈夫と思ったり、陽性が出ても『痔だろう』と放置する人もいますが、どのような人でも気になることがあれば大腸カメラの検査に進んでほしい。ここで早く見つけられれば、ポリープの段階で切除できますから」
進行すればするほど、
「浸潤といって、がん細胞がカニの爪のように周辺臓器に嚙み込んでいく現象が起こることも。すると、その臓器を一緒に摘出しないといけない」というから恐ろしい。
「だから、2、3年に1度は必ず大腸カメラの検査を受けてほしいです。告白をされた立花さんは術後3年目とのことですね、再発率がぐっと下がり、あと2年経過を見て克服される可能性が高まっているといえます」
立花が告白を決意した理由は、発信することで〈1人でも多くの人に早く検査してよかったと思って〉ほしいから。ファンや周囲の友人を慮る彼女の、健やかな回復を願ってやまない。