今オフのMLB移籍市場には、日本人代理人の姿もあった。カブス・今永昇太(30)を担当した長谷川嘉宣氏である。スポーツ紙デスクが経歴を語る。
「米スポーツマネジメント会社『オクタゴン社』で、環太平洋部長を務めています。同志社大学を卒業後に米国の大学院に進学。そこから、カージナルス傘下のマイナー球団にインターンとして入社して、当時選手として在籍していた田口壮(54)と知り合ったことをキッカケに、代理人事務所に〝インターン転職〟した。ちなみに、この時の給料は月額約4万円程度だったようです」
元マリナーズ・城島健司(47)や元ジャイアンツ・田中賢介(42)をはじめとする数多くの日本人メジャーリーガーを担当。中には、〝やりがい搾取〟契約に泣かされたリリーフ左腕もいた。
「レッドソックスとアスレチックスに在籍していた岡島秀樹(48)です。レッドソックス入団時に『6年間は球団が保有権を持つ』という契約を代理人が結んでおり、戦力外にならないかぎり、FAで他球団への移籍ができませんでした。それが判明したのは3年目のオフ。これまでの代理人をクビにし、別の代理人と契約する騒動に発展しました。最初の代理人事務所が巨人時代の先輩にあたる桑田真澄(55)の紹介だっただけに『桑田さんに騙された‥‥』と恨み節を漏らしていたといいます。晩年DeNAに出戻った際には『オクタゴン社』の長谷川氏が担当していました」(球界関係者)
もっとも、「オクタゴン社」のネットワークは「ワッサーマン」に負けず劣らずだという。
「かつて、『吉本興業』と業務提携をしていたので、同事務所に所属する野球選手にアプローチしやすい。今永も昨季までDeNAで投手コーチだった斎藤隆(53)の紹介でした。一方で、楽天の石井一久球団取締役シニアディレクター(50)も吉本人脈の1人ですが、パドレスに移籍した松井裕樹(28)は別の大手代理人事務所『WMA』と契約してしまった。もしかしたら、石井と松井の間に大きな溝が生じている可能性がある。じゃなきゃ、わざわざ日本人メジャーリーガーを担当した実績のない会社を選ばないでしょう」(スポーツ紙デスク)
すでに、吉本は業務提携先を「CAA」に鞍替えしたという。香ばしい巨万の富の匂いをかぎ分け、甘い汁を吸う代理人に油断してはならない‥‥。