中日の立浪和義監督が、西武・松井稼頭央監督の「休養」について言及した。
「自分も1年目、2年目に(今年の西武と)近いような成績だった。その時の苦しさは似たところもある。まだまだチャンスがある監督だと思います」
立浪監督と松井監督は同じPL学園高校出身で、立浪監督が6歳年下の後輩に気遣いを見せる形となった。
立浪監督が言うように、昨年5月25日時点の中日は15勝28敗で、松井監督が事実上の解任となった際の15勝30敗とほぼ同じ成績だ。すっかり生気を失ってしまった松井監督の姿が痛々しかったが、逆に今回のコメントで、立浪監督の「鋼のメンタル」との大きな差が際立った。
球界ではPL学園出身の監督の評価は、決して高くない。立浪監督は就任から2年連続の最下位、今季もセ・パ交流戦スタート時点でBクラス。最終成績次第では、その立場は極めて危うくなる。
PL学園出身では他にも尾花高夫氏が2010年から横浜(現DeNA)の監督に就任したが、48勝95敗1分で借金47の最下位に。翌年も47勝86敗11分と大苦戦し、2年連続最下位のまま退団している。
2019年に楽天監督だった平石洋介氏は3位になったものの、わずか1年でチームを追われてしまった。今季、楽天は再びPL学園OBの今江敏晃監督を迎えたが、ここまで5位と低迷している。
「いずれも選手としては優秀でしたが、指揮官としては物足りない。高校時代からの華々しい姿を知るファンにしてみれば、野球部の廃部と相まって、寂しい限りでしょうね」(スポーツ紙デスク)
かつてPL学園出身の選手は「球界のエリート」と言われたが、どうやら指揮官としての適性はそれほど高くはなかったようだ。
(ケン高田)