女子ゴルフの国内ツアー「宮里藍サントリーレディス」が6月9日に最終ラウンドが行われ、1打差の2位で出た大里桃子が通算12アンダーで優勝した。トロフィーを手にすると、
「しっかりと自分を見つめ直して優勝できて、本当に嬉しい。夢のよう」
と涙を流した。身長170センチとモデルのような体型で、男性ファンから人気が高い大里。手足が長く、ドライバーの平均飛距離は250ヤード超。運動能力やリズム感覚が鋭く、8歳からゴルフを始め、元体育教師の父・充さんに鍛えられ、腕を上げてきた。
「全国高等学校ゴルフ選手権大会」で頂点に立ち、2018年7月にプロテストを3位で通過。翌月の「CAT Ladies」で、早くもツアー初優勝し、その年のLPGAアワード「敢闘賞」を獲得した。ところが、そこから大スランプに陥ってしまう。ゴルフライターが振り返る。
「腰痛に悩まされたり、一時は不安からショートパットを外してしまうイップスの症状が出たりも。昨年はシード権を喪失し、最終予選会から出場していました。『ゴルフを辞めよう』と周囲に相談しましたが、トレーナーとトレーニング法を見直し、試しに打ってみたフェードボールがいい方向に出ました。自己啓発とメンタルに関する本をたくさん読み、マイナス思考を止めたことも、再生につながりましたね」
1998年度生まれで渋野日向子、原英莉花、勝みなみ、畑岡奈紗、小祝さくら、臼井麗華、新垣比菜、河本結、高橋彩華、吉本ひかるらと同じ「黄金世代」に分類されている。
「持っている能力は、黄金世代で最上級クラス。メンタルが吹っ切れたことで大きく飛躍しますよ。いずれ小祝や畑岡、勝以上の成績を残すはずです」(前出・ゴルフライター)
復活した大里が、女子ゴルフ界を席巻するかもしれない。
(渡辺優)