「タバコをたったの一度吸っただけで、代表権剥奪なんて…」
一部の識者からは、そんな擁護の声がやたらと聞こえていた、体操女子パリ五輪代表のキャプテンだった宮田笙子の五輪辞退騒動は、開幕直前になっても鎮静化していない。
問題が発覚した宮田は、7月18日に合宿地のモナコから緊急帰国したわけだが、聞き取り調査で喫煙は6月末から7月にかけて「プライベートで1度きり」、飲酒に関してはナショナルトレーニングセンターの選手宿舎内で、やはり「1度だけ」と説明したことに対し、疑心暗鬼の声は止まなかった。週刊誌記者も首を傾げる。
「本人が言うように、五輪代表としてプレッシャーがあったことは間違いないでしょう。とてつもなく大きなプレッシャーが…。しかし、だからといって大事な五輪開幕直前に、これまで経験していなかった喫煙や飲酒をプレッシャーから解放されるために、いきなり嗜むでしょうか。それこそ体に変調をきたすかもしれない。世間の人たちに似たような指摘をしていた人はいましたが、メディアの多くは宮田や協会の説明は怪しいと感じていたようです」
そんな渦中、7月23日に発売された「FLASH」が、宮田の喫煙がやはり一度だけでなかったことをスクープしている。
宮田の中学時代の体操関係者は「素質はあった」としつつ、「やんちゃな気質があった」と明かしている。そして、別の体操指導者は宮田が喫煙していることは「有名でしたし、みんな知っている」と、衝撃的なコメントを残しているのだ。
また残念なことに、合宿先ではコーチや他の女子選手から「宮田さんはタバコ臭い」という声が頻繁に聞こえていたというから驚きだ。
「宮田の喫煙を通報したのはモナコにいるチーム関係者のようです。五輪直前にあえて告発するわけですから、あまり穏やかではない感じすらします。ですが、こうして全貌がわかってくると、体操協会や所属チームである順天堂大関係者が宮田の喫煙を今回初めて把握したという発言まで、疑わしく思えてきますね。今回の報道にあったように、宮田の喫煙が常習であるというのが事実なら、それを制御できなかった周囲の責任も問われかねません」(前出・週刊誌記者)
かつて十種競技で日本王者に輝いたことがあるタレントの武井壮は、有識者たちが宮田を擁護する風潮に対し、「ただの監督不行き届き。そこがまず責任を取るべき、宮田さんを出場停止とか辞退とかさせる前に」「オリンピックに出るっていうね、多大なる国の予算を使って、強化費用を使って、ナショナルトレーニングセンターやら遠征やらを行っている選手が、そんなルールすら守れなかったら、そりゃ当然外される」と、協会関係者と本人の双方に非があると糾弾している。
パリ五輪出場はどうあがいたところで叶わないが、エールを送ってくれる人たちのためにも、一度すっぱりと綺麗な体になって、宮田には4年後を目指してほしいものだ。
(石見剣)