問題のシーンは8月4日に埼玉県営大宮公園球場で行われた「埼玉武蔵ヒートベアーズ(BCリーグ)×巨人」の試合で飛び出した。
背番号「006」の巨人・坂本勇人は試合後半から途中出場したが、慣れない球場だったせいもあったのか、バックネット前に描かれた「OMIYA」の文字の「O」をネクストバッターズサークルと勘違い。地元ファンから「そこはネクストバッターズサークルじゃないなんだけど…」とツッコミが入った。
いや、ちょっと待て。そもそも坂本がなぜBCリーグの試合に出ているのか。いやいや、その坂本じゃないのだ。
「006」の坂本は佐賀県唐津商業高校出身の捕手で、2020年の育成ドラフト6位で巨人に入団。野手の間を抜くライナー性の打球を打つのが特徴で、同姓同名の先輩スター選手の背番号「6」にちなんで「006」が与えられた。
要するに、同姓同名の「もうひとりの坂本勇人」のことだったのである。
同じような「ミス」は他にも見られることがある。「TOKYO」の「O」の文字の中に入って素振りをしていた選手がいたり。俯瞰できる観客席からはひと目でわかるが、ベンチから見ると平面でわかりづらいため、色を変えるなどの工夫があっていいのかもしれない。
思わぬところで名前が挙がった坂本だが、実は「勇人」の名前は、ソフトバンクなどで活躍した寺原隼人が由来。母方の曽祖父・勇さんの名前を継ぎ、漢字は「勇人」となったのだとか。ファンが気になるのは今後、坂本が支配下登録された場合の表示名かぶり問題だが、その場合は「坂本勇」になるという。
バッテリーとの駆け引き、心理戦の舞台になっているネクストバッターズサークル。巨人ファンは東京ドームの小さな円の中に入る、将来の坂本の姿を楽しみにしているのではないだろうか。
(ケン高田)