政治

【政治家「大放言」烈伝】被災地に上から目線で「助けない」そして報道陣を恫喝/松本龍復興相

 いくらなんでも、あんなシーンが全国放送されたら、どう弁明しても言い逃れはできないだろう。

 それは東日本大震災から4カ月後の、2011年7月3日のことだった。この日、復興担当大臣として就任後、初めて岩手県を訪ねた松本龍氏。ところが「チームドラゴン」よろしく、サングラス姿で堂々と登場すると、虫の居所でも悪かったのか、達増拓也知事に対し、耳を疑うセリフを繰り出したのだ。

「知恵を出したところは助けるが、知恵を出さないやつは助けない」

 のっけから暴言をぶっ放すものだから、報道陣はア然ボー然。いや、この男の大暴走はこれだけにとどまらなかった。

 続いて訪れた宮城県でも村井嘉浩知事に、

「お客さんが入ってくる時は、自分が入ってからお客さんを呼べ」

 そう叱責した上で、またしても完全な上から目線で、

「県でコンセンサスを得ろよ。そうしないと、我々は何もしないぞ」

  しかも、だ。テレビカメラが回っている前で、さらにとんでもないことを言い出したのである。

「今のはオフレコ。書いたらその社は終わりだから」

 メディアをも恫喝したことで、その「オフレコ」はもちろん各社で報じられることになり、政府には抗議が殺到。就任わずか9日目にしてこの暴言非常識大臣は、あえなく辞任に追い込まれることになったのである。

 その後、松本氏は九州大学病院に入院。医師団により「気分障害による軽度の躁状態」との診断結果が発表された。つまり暴言の背景には、防災担当の重責による精神的負担が影響を及ぼした、と言いたげだが、同氏を知る政治部記者はこう言って首をかしげていた。

「松本氏の祖父は、福岡で部落解放同盟委員長を務めた松本治一郎氏。本人も父の栄一氏を継いで、3代にわたり人権運動に心血を注いできた、バリバリの闘士。だからこそ、自民党の重鎮である同郷の麻生太郎氏や古賀誠氏から一目置かれる存在だったことは事実です。環境相時代の2010年には先進国と途上国との間で粘り強く交渉を続け、『名古屋議定書』を締結させた立役者として、海外にもその名は知れ渡りました。震災後にはすぐに被災地入りするなど頑張っていたようですが、被災地の惨状に耐えられなかったという話もあり、人権運動の闘士にも、想像以上のプレッシャーがのしかかっていたのかもしれませんが…」

 だからといって被災地の知事にエラソーな口調であんな暴言を吐き、最後には「書いたら終わり」ではタダで済むはずがない。

 暴言男は2012年の総選挙に出馬するも、落選。政界から身を引くことになったが、2018年7月に肺ガンで世を去るまで、失意の中にあったと伝えられる。享年67。ともあれ、松本氏の政治生命を大きく左右する暴言となってしまったのである。

(山川敦司)

カテゴリー: 政治   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
【高校野球】全国制覇直後に解任された習志野高校監督の「口の悪さ」/スポーツ界を揺るがせた「あの大問題発言」
3
エスコンフィールドに「駐車場確保が無理すぎる」新たな問題発覚!試合以外のイベントでも恨み節
4
「子供じゃないんだから」佐々木朗希が米マスコミに叩かれ始めた「温室育ち」のツケ
5
これも「ラヴィット!」効果…TBS田村真子アナ「中日×巨人で始球式」に続く「次に登板するアナウンサー」