広島カープがホワイトソックス傘下3Aでプレーしたジョハン・ドミンゲス投手を獲得した。球団としては「今オフ3人目の外国人選手の獲得」だが、ドミンゲス自身にメジャーリーグ経験がないためか、あまり大きく扱われていなかった。
そんな数行程度の記事の最後にシレッと書かれていたのが、「ロベルト・コルニエル投手とは来季契約を結ばないとも発表された」。しかしこの一文に、他球団がザワついた。
「どうも広島と他球団では、コルニエルに対する評価が異なるようですね。広島以外の球団の評価が正しければ、大化けするかもしれませんよ」(在阪球団スタッフ)
コルニエルはアストロズ傘下1Aでプレーし、カープアカデミーを経て2019年9月に広島の育成選手となった。2021年3月に支配下登録を勝ち取ったが、4年間の通算成績は、86試合登板で2勝6敗10ホールド。防御率は4点台だ。制球難と好不調の波が大きいため、「使いにくい投手」と思われてきたが、他球団が一目を置いていたのは「球速」だ。
2021年6月に大谷翔平に並ぶ165キロをマークし、スプリットは150キロを超える。
「広島がまた、すごい素質を持った投手を見つけてきた」(前出・在阪球団スタッフ)
と驚いていたのだ。
「2023年に先発転向のチャンスをもらいましたが、それを生かすことができませんでした。今季はリリーフに再転向しましたが、安易にストライクを取りにいったところをガツンとやられて…」(スポーツ紙記者)
シーズン後半は2軍で投げていた。17試合の登板で2勝1敗6セーブ。打者59人と対戦して、24奪三振を記録している。1軍再昇格は果たせなかったが、「体重移動など、投球フォームをしっかり教えてやれば」として、再生可能とみる声が、2軍の対戦チームから出ていたそうだ。
「他球団が獲るとしても、育成契約でしょう。150キロを超えるスプリットに自信を持たせてやれば、好リリーバーになれるんですが」(前出・在阪球団スタッフ)
2021年はリリーフで50試合に登板した。先発転向の2023年は失敗だったが、DeNA戦で8回途中4安打1失点と好投した試合がある。
リリーバーの去就なら、注目度では中日のマルティネスが最上級だ。広島と他球団の評価のどちらが正しいのか。「未来のマルティネス」争奪戦が見られるかもしれない。
(飯山満/スポーツライター)