社会

観光の目玉不足の沖縄で地元住民がイチ推し「夜の栄町市場」ディープな活気

 沖縄県那覇市は国内有数の観光地として知られるが、近年は観光リピーターの伸び悩みが顕著だ。その背景には、観光地としての独自性の薄れが指摘されている。県外と変わらないショッピングモールや全国チェーン店が目立ち、観光客にとって「どこにでもある地方都市」に映ってしまうのだ。

 沖縄特有の文化や風景を楽しむために訪れた観光客が、期待外れに感じてしまう。観光客にとって特別感のある体験をできない現状が、リピーターの少なさに繋がっているのではないか。

 そのため那覇市周辺のホテルでは、観光の目玉が不足している現状に頭を抱えると同時に、宿泊者の滞在意欲を高める工夫が必要とされている。ではいったい、それは何なのか。地元の人々が「沖縄らしさ」を体感できる場所として推すのが、モノレール安里駅から徒歩圏内にある栄町市場だった。

 栄町市場は1955年に設立され、約70年の歴史を誇る。現在では100店舗以上が軒を連ね、朝は地元住民に密接した食品市場として賑わいを見せている。新鮮な野菜や魚が並び、地元の生活感を肌で感じられる空間だ。

 しかし、この市場が本領を発揮するのは、日が暮れてから。夜になると市場は飲み屋街へと変貌し、ディープな雰囲気を楽しめる場として、いっそうの活気を帯びるからである。

 ここは20年ほど前から、沖縄を訪れるバックパッカーが足繁く通うスポットとして知られていた。コロナ禍で営業を休止した店舗が多く、一時は活気が失われた。それが近年では新規出店が増え、再び賑わいを取り戻しているのだ。地元飲食関係者がその理由を明かすには、

「最近は内地(県外)からの飲み屋が増えてきたのが、活気が戻った理由だと思います。ウチナーンチュ(沖縄の人)はお金に対して大雑把なところがあって、商売には向いていない人が多いんですが、内地の人はきちんと経営されるので、市場の雰囲気が安定してきたように感じます。ただ、問題なのは家賃の高さですね。これは沖縄全体の傾向ですが、栄町市場でも家賃が上がっています。この課題さえクリアできれば、さらに盛り上がると思います」

 地元と内地の事業者が連携し、家賃の高騰という新たな解決策を見出すことで、栄町市場はさらに多くの観光客を惹きつける、魅力的なスポットへと進化していくことだろう。

(カワノアユミ)

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