阪神・佐藤輝明の自己中心的な発言に、球団OBや関係者はアキレ顔だ。契約更改に臨んだ12月23日の話し合いの席で、現状維持の1億5000万円でサインしたのはいいが、その後の記者会見で問題発言が飛び出した。
「毎年のことですが、ラッキーゾーンをつけてほしいと申し入れた。自費でもいいと話した」
なんと、真顔でそう口にしたのである。
プロ4年目の今季は、打率こそ自己最高(といっても2割6分8厘)だったが、5月には2軍落ちを経験。本人がこだわり続けてきた本塁打数が初めて20本を切り、わずか16本に終わった。その原因のひとつが、ライト側からレフト側に吹く甲子園特有の浜風にあると、佐藤は考えているのだ。だが在阪スポーツ紙デスクは、これを一刀両断する。
「ラッキーゾーンができれば左バッターだけに本塁打が増えると、単純に考えているのでしょうが、これはさすがに身勝手すぎる、との声が上がっています。実際にあるOBが言うには『一選手がラッキーゾーン云々の話をするのは、おこがましすぎる。本当にそう思うなら、阪神選手会の総意として話を持っていくのが筋だろう』と、開いた口が塞がらない様子でしたね」
投手出身のOBも眉をひそめてこう話す。
「投手の立場としては、ラッキーゾーンなんてない方がいい。ラッキーゾーンがあると、打ち取ってと思った打球が入ってしまうしね。同様の声は、現役投手サイドからも上がっていますよ。佐藤の発言は、野手目線でしか考えていないもの。今の阪神は完全に投高打低のチーム。そのアドバンテージを自ら捨ててどうするのか、という話ですよ」
ラッキーゾーン要求と同時に、将来のメジャー挑戦を示唆した佐藤。まさか自分の成績アップを図るためのラッキーゾーン要求だとは思いたくないが…。
(阿部勝彦)