6メートルというと、だいたいビルの2階の高さに相当するが、ギネス記録として認定されている世界最大のワニの体長はなんと、6メートル17センチ。2011年9月にフィリピンのブナワン地区で捕獲された、「ロロン」と名付けられた個体である。
このロロン、体長だけでなく体重も1075キロと超ヘビー級だが、実はUMAの世界にも、ロロン規模の巨大化け物トカゲが存在する。米アーカンソー州のオザーク山地に棲息する、ゴウロウだ。
世界にはコモドドラゴンやミズオオトカゲなど、実際に3メートルを超える巨大トカゲが生息しているが、このゴウロウはその2倍もの体長で、普段はオザーク山地の岩場や洞窟に潜んでいるとされる。
ゴウロウはもともと、神話の中で生きる伝説の怪物だったが、実はオザーク山地周辺ではかねてから、ゴウロウと思われる巨大トカゲが何度も目撃されていた。そんなゴウロウがアーカンソーの地方紙「アーカンソー・ガゼット」 (現アーカンソー・デモクラット)に掲載され、世間を驚かせた。1897年1月31日のことだ。
当時、アーカンソーの村では、家畜やペットの惨殺事件が数多く発生。地元ではゴウロウの仕業ではないかとの噂が立ち、地元住民が中心となって、オザーク山地周辺でゴウロウの捜索が始まった。
捕獲するつもりで捜索を続ける中、家畜の死骸のほかに人間の遺体まで出てきた。そこで捜索隊全員が猟銃を手に、ゴウロウを見つけ次第、射殺する計画に変更されたのである。
捜索開始から数日が経過した、ある日のこと。捜索隊がゴウロウが棲息しているとされる洞窟で待ち伏せてしていると、なんとゴウロウが洞窟近くの湖から出現。捜索隊をめがけて近づいてきた。慌てた捜索隊は巨大トカゲに向かって一斉射撃を行い、見事にゴウロウを仕留めたという。
死骸となって横たわるゴウロウは体長約6メートル 。首から尾にかけての背中にはスパイク状の突起があり、細長い尾の先端は刃のごとく尖っている。指には鋭いカギ爪と水かきがついていた。
「その記事が写真付きで『アーカンソー・ガゼット』紙に掲載されたわけですから、地元では『神話の中の生き物が実際に存在していた』として大騒ぎになりました。ただ、ゴウロウの遺体はスミソニアン博物館に運ぶ途中で、なぜか紛失してしまったそうです」(UMA研究家)
神話から抜け出してきた謎の生物ゴウロウ。この事件を最後に、現地で目撃されることはなくなったという。
(ジョン・ドゥ)