これからは日本でプレーせずに、直接海外チームにチャレンジする選手が増えていくかもしれない。
東京・桐朋高校の森井翔太郎が、メジャーリーグのアスレチックスとマイナー契約を結んだのだ。日本のアマチュア選手としては史上最高額となる、契約金150万ドル(約2億3000万円)での挑戦である。
アスレチックスは遊撃手と投手の「二刀流」で育成する方針で、将来は大谷翔平のようなメジャーリーガーに成長するかもしれない。
森井は昨秋のドラフト会議前に米球界挑戦の意思を表明し、日本の球団には指名しないようにと、理解を求めていた。もし指名されていればドラフト1位は確実と言われていた逸材だ。
有力選手の国外流出で日本球界の「空洞化」を懸念する声があるが、この流れはすでにサッカー界でも進んでいる。
ドイツ・ブンデスリーガ第17節(1月14日)で、ボルシアMGのFW・福田師王が、ブンデスリーガ初ゴールを決めた。福田は高校サッカーの強豪・神村学園で主力として活躍し、卒業時に10クラブからオファーを受けた。その全てを断って、ドイツの名門ボルシアMGに入団したのだ。福田はその理由を、次のように語っている。
「Jリーグでは出られないなと感じて。海外だとセカンドチームからも、ちゃんと育成してくれる」
事実、J1では高校時代にどんなに活躍した選手でも、毎試合出られることは稀であり、J2クラブへ期限付き移籍する選手は少なくない。であれば最初から海外の強豪クラブで経験を積んだ方がいい、という考え方は理にかなっている。いや、Jリーグで実践を積んでから海外移籍した方が伸びたかもしれないのだが、アスレチックスを選んだ森井にも同様の指摘がある。
いずれにしても、若者がより高いレベルの世界で成功を目指す姿には夢がある。近い将来、異国の地で活躍する姿が大きなニュースになることを願う。
(ケン高田)