今季のプロ野球には、5人の新米監督が誕生した。それぞれに抱えた事情を含め、謎めいたプロフィールを総まくり。キャンプイン直前に、その実像に迫る!
「いつまで〝偏食〟が続くのやら‥‥」
こうため息を漏らすのは在阪メディア関係者だ。愚痴りたくなるのも無理はない。球団創設90周年のシーズンに就任した阪神・藤川球児監督(44)の露骨な〝身内びいき〟が目に余るというのだ。
「20年に現役を引退してから専属評論家を務めていた『スポーツ報知』にばかりいい顔をするのです。秋季キャンプ中も番記者全体の囲み取材こそ設定されましたが、雑談相手は気心の知れた報知の記者だけ。そもそも藤川新監督就任をスクープしたのも報知でした。まぁ、そこまでは世話になった媒体への恩義として理解できますが、さすがに就任後にも表立って優遇し続けるのは感心しません」(在阪メディア関係者)
偏向したメディア選別は、各社の新春インタビューでも垣間見られたという。
「複数のメディアが昨年末に藤川監督のインタビューを収録したのですが、一部の紙媒体に対しては収録直前になって『写真撮影はNG』だと言い出した。当然ながら現地にカメラマンを派遣していますし、元旦をイメージしやすい羽子板や習字道具などの小道具まで準備していました。結局、インタビューカットを撮れていないので、記者会見や秋季キャンプで撮影したものを入れざるを得なかったメディアが多く出たといいます」(スポーツ紙デスク)
一方で報知は1月1日の紙面で評論家の掛布雅之OB会長(69)との対談を掲載。そこには、背広を着てガッチリ握手を交わす阪神第36代監督の姿があった。
「阪神にとっては宿敵・巨人の関連会社だけに『敵に塩を送ってどうすんだ?』と番記者たちも呆れ返っていた。藤川監督は埋め合わせとして年明けに他社への表敬訪問もしたようですが、後の祭りでした」(在阪メディア関係者)
新指揮官に〝塩対応〟を受けたメディアが馴染みの前指揮官に救いを求めるのは自然の流れのようで、
「シーズン中には、岡田彰布オーナー付顧問(67)のもとに番記者たちが集まるのが目に見えています。フロント職で頻繁に球場に足を運ぶことはないと思われますが、負けが込んでくれば視察のたびに采配批判が飛び交うようになるでしょう。指揮官からネタを取れない番記者にとっては好都合です。かねてから、2人の意見が割れるケースはままありました。例えばDH制の導入に関して『NO』と主張する前指揮官に対して藤川監督は『100%賛成』。岡田前監督の代名詞でもあったヘビースモーカーも毛嫌いしていた。采配批判に対するレスポンスで、藤川監督の〝アンチ岡田〟が浮き彫りになりそうです」(スポーツ紙デスク)
それ以前に、ベンチワークが不安視される。
「元ヤクルトの宮本慎也氏(54)をヘッドコーチとして迎えるプランがありましたが、本人に丁重に断られたようです。最初の声掛けが外様の宮本氏だっただけに阪神OBたちも『宮本の代打だけは勘弁』と敬遠するようになり、結果としてヘッドを置かない体制を敷かざるを得なかったといいます。現役時代にブルペンとマウンドが〝職場〟だった藤川監督は、ベンチの采配をほとんど生で見ていません。すでに虎ナインからも『ベンチにいなかった人に采配ができるの?』と訝しがる声が漏れ聞こえてきます」(球界関係者)
かつて、食べ物の好き嫌いの多さから愛妻のレシピ本で「偏食王」と指摘された新監督。「清濁併せ呑む」器量がなければ、日本一奪還は遠のくばかりだ。