福本莉子の躍進が止まらない。今年は「劇場版 トリリオンゲーム」「お嬢と番犬くん」「真相をお話しします」「隣のステラ」と、分かっているだけでも4本の映画に出演。さらにロート製薬の「ロートCキューブ」などのCMキャラクターとしても活躍するなど、めきめきと頭角を現してきた。
だがその陰で露出が減少しているのが、同じ東宝芸能所属の山崎紘菜だ。福本と同じく東宝シンデレラオーディション出身でありながら、近年は彼女に押し出される形で、かつてのような活躍の場が少なくなっている。
山崎は2011年開催の第7回「東宝シンデレラ」オーディションで、審査員特別賞を受賞。当初、東宝は「長澤まさみの妹分」として売っていた時期がある。長澤は身長169センチ、対して山崎は171センチと、どちらも長身でスタイルがよく、雰囲気が似ていることから、次世代の長澤的ポジションを期待されていた。本人も「目標は(所属事務所の)先輩である長澤まさみさん。女優としても、ひとりの女性としてもあこがれます」と語っていたほどだ。
そんな山崎が受賞した5年後の2016年、「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞したのが福本だった。その透明感あるビジュアルと清楚な雰囲気から、同じく東宝所属の浜辺美波の後釜的存在とみられていた。
山崎は「神さまの言うとおり」や「チア☆ダン」といった話題作に出演したり、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」では朝ドラ初出演を果たすなど、女優としてのキャリアを積み重ねてきた。
ところが、ある象徴的な出来事が起きる。山崎は2014年から長らく、TOHOシネマズの上映前映像「シネマチャンネル」のナビゲーターを務め、東宝系の顔と言える存在だった。ところが2022年1月、福本が山崎に代わってナビゲーターに就任。これを機に、東宝内でのプッシュの中心が福本へと移った、との見方があるのだ。
「長澤路線を標榜した山崎ですが、主役クラスの作品が減り、現在のポジションがやや曖昧になっています。対して福本はベタな言い方ですが、清純派女優としての売り出し方が功を奏した感がある。皮肉にも福本がドラマに初出演したのは、長澤が主演の『コンフィデンスマンJP』でした。山崎はこれには出ていません」(テレビ関係者)
東宝の次世代エースの戦いは、まだこれからだ。
(魚住新司)