永島まなみが、3月23日の愛知杯(GⅢ、中京・芝1400メートル)でGⅠ初騎乗したスウィープフィートと、約1年1カ月ぶりにコンビ復活。昨夏のマーメイドS(アリスヴェリテ)以来の、重賞2勝目を狙う。
スウィープフィートの近3走は、武豊が騎乗してチューリップ賞を勝ったほか、桜花賞4着、オークス6着の成績を収めた実力馬。武は同じ日の阪神大賞典(GⅡ、阪神・芝3000メートル)でショウナンラプンタに騎乗するため、永島の出番となった。いわば代打というわけだが、新馬戦から5戦続けて騎乗しており、乗り慣れている。その中には阪神ジュベナイルF(7着)もあり、この一戦以外は全て馬券に絡んでいる。妥当な騎乗依頼と言っていいだろう。
馬は夏負けで長期休暇を余儀なくされ、今回はオークス以来、およそ10カ月ぶりの出走となる。デキが問題となるが、放牧から帰厩後は順調に乗り込まれ、坂路で自己ベストを連発。体がひと回り大きくなって、体調は万全と言っていい。初の芝1400メートル戦となるが、直線の長い中京なら心配する必要はないだろう。持ち味のシャープな末脚を生かせそうだ。
問題があるとすれば、永島の調子が上がってこないこと。1月2勝、2月2勝で、3月はここまで勝ち星なし。得るものが大きいとみられていた2月21日のサウジアラビア遠征後も、ピリッとしない騎乗が続いている。トラックマンが言う。
「昨年は32勝で、一昨年より18勝も減りました。本人は『減量が3キロ減から2キロ減になったせいもあるかな』と言っていましたが、『気を引き締めていくつもり』とも。それでも納得のいく結果が出ていないのは、馬に恵まれていないことが大きい。そこが改善されれば、盛り返していくでしょう。幸い、厩舎関係者からの信頼は厚く、騎乗数は増えていますから」
今回騎乗するにあたり、レジェンドの武からいろいろ話を聞いて、自分の行き届かなかいところが分かったという。もちろん、映像で繰り返し、レースでの走りも見ている。
上位人気が予想されるだけに、プレッシャーは大きいだろう。フルゲートゆえ、前にいる馬を捌いていく必要がある。永島の真価が問われる、大事な一戦となるのだ。グッドラック!
(兜志郎/競馬ライター)