筆者は4月13日に行われるGⅠ・桜花賞(阪神・芝1600メートル)の激走馬に、リンクスティップを指名した。詳しくは既に本サイトで公開している展望記事をお読みいただきたいが、桜花賞のひとつ前に組まれている大阪―ハンブルクカップ(阪神・芝2600メートル、ハンデ戦)もまた、桜花賞に勝るとも劣らない「勝負レース」になるとみている。
圧倒的な1番人気が予想されるのは、武豊が騎乗するアドマイヤテラ(牡4)。同馬は「3勝クラス」の身でありながら、前走のGⅠ・菊花賞(京都・芝3000メートル)で、アーバンシック(牡3、当時)の3着と激走。今回は賞金加算を見据えた、満を持しての参戦であり、おそらく単勝オッズは2倍を割り込むだろう。
しかし陣営の勝負度合いがいかに高くとも、このオッズではさすがに手は出せない。そこで浮上してくるのが、同じく勝負度合いが極めて高い「第2の馬」だ。
筆者が「逆転の激走馬」に指名したいのは、ヴェローチェエラ(牡4)だ。同馬は5月4日に行われるGⅠの天皇賞・春(京都・芝3200メートル)を見据え、前走のGⅡ・阪神大賞典(阪神・芝3000メートル)に出走したが、サンライズアース(牡4)にちぎられて5着に敗退。鞍上の川田将雅は敗因を次のように明かしている。
「馬の具合は前回(4着だったGⅡ・日経新春杯)よりもはるかに良かったです。(今回の敗因は)やはり距離ですかね」
そこで陣営は当初予定していた天皇賞・春への出走を棚上げにして、距離が600メートル短い大阪―ハンブルクCへの出走を決断。つまり今回は「名を捨てて実を取りにきた」背水の陣。アドマイヤテラは菊花賞以来の始動戦であり、ヴェローチェエラの一発逆転が見えてくるのだ。
そこで結論。勝負馬券は3倍以上のオッズを見込んで、ヴェローチェエラの単勝。これにヴェローチェエラとアドマイヤテラの馬連1点を押さえに加えたい。
ここで資金を増やすことができれば、桜花賞で「渾身の大勝負」をかけられる。
(日高次郎/競馬アナリスト)