8月22日から23日にかけて静岡県側で開催される、長渕剛の「10万人オールナイト・ライヴ 2015 in 富士山麓」で、大噴火の発生を恐れている人が多いらしい。富士山のではなく、長渕本人のである。
長渕といえば、2004年に鹿児島県・桜島で開催されたオールナイトライブは語り草だ。7万5000人もの長渕ファンが日本中から集まり、9時間・全42曲にもおよんだライブは、最後に長渕が「生きて、生きて、生きまくれ!」と30分にわたって叫び続け、音楽界における伝説の一夜となった。
そして11年後、再びその感動が蘇るかと思いきや、意外なほどにチケットが売れていないのだという。テレビ誌ライターが解説する。
「ライブを宣伝するため、長渕はすごい勢いでテレビに出ています。富士山麓ライブにはフジテレビが関わっており、『SMAP×SMAP』や『ライオンのごきげんよう』など、普段なら長渕が絶対に出ないはずの番組にまでゲスト出演しています。最近はTBSや日本テレビのバラエティにまで出まくっていますよ」
あのクールな長渕がこれほど必死なのは驚きだ。だが当の長渕以上に、周りのライブ関係者のほうがさらに必死なのだという。テレビ局の芸能担当者がこんなエピソードを教えてくれた。
「怒りに火がついたときの長渕は手が付けられません。周りにいるスタッフを手あたり次第、殴りまくりますからね。もっとも、機嫌がいい時でも気分がハイになってくるとやはり人を殴りだすので、周りはとにかく長渕をリラックスさせようと必死でしょう」
どっちに転んでも殴られるとは大変な現場である。それにしてもなぜ、今回の富士山麓ライブではチケットの売れ行きが悪いのだろうか。音楽業界関係者はこんな分析を見せる。
「長渕もいまや58歳。ファンも高齢化して家庭を持つ人も多く、ライブに費やせる時間やお金の余裕も少ないんでしょう。それに前回の桜島ライブは長渕の故郷・鹿児島ですから、そこに意義を感じたファンも多かったのです。それが今回は10万人という数字が先にありきで、参加する意味を見出せないのかもしれません」
桜島ライブのラスト曲「Captain of the Ship」では、長渕は観客に向けて「お前が決めろ お前が決めろ!」と叫びまくった。そんな観客たちが決めた結論は、富士山麓ライブには行かないというものだったようだ。
(金田麻有)