富士山麓に10万人を集めるとの触れ込みで開催された、長渕剛のオールナイトライブ。集客面ではいろんな憶測が飛んでいるが、ライブ自体は成功に終わったようだ。実際にライブを観たという音楽業界関係者は、その驚きを語ってくれた。
「セットの凄さには度肝を抜かれました。『SASUKE』のファイナルステージ並みに巨大なやぐらが建っていて、その全体が光るんですよ。その両側には会場の最後方からも見える巨大スクリーンがあり、東京ドームや味の素スタジアムでのライブと同等か、それ以上のセットだったと思います」
しかもスタジアムライブとは違い、何の基礎もない地べたにこれだけのセットを建てたのだから、そのコストたるや恐るべし。今回のライブでは1万5000円という入場料にも批判が集まったが、この音楽関係者はそれもやむなしだと語る。
「大型のスタジアムライブではセットに2~3億円かけると言われていますが、今回は場所も場所ですし、搬入や施工の手間も考えると5億円でも足りないかもしれません。イベント全体で見ると、10億円規模のプロジェクトでしょうね」
仮に総コストが10億円だとしたら、入場料だけで賄うには8万人近くの動員が必要となる。主催者発表では10万人だが、7万5000人を集めた2004年の桜島ライブより空いていたという声もあり、今回のライブは大赤字になった可能性もありそうだ。だが前出の音楽業界関係者によると、十分に成功したと言えるのだという。
「まずは物販が順調だったようですね。それに赤字をこうむったとしても、DVD販売など回収する方法はいろいろあります。それよりも、大きな事故がなかったことが最大の収穫でしょう。雨が降らなかったのも大きいと思います。この手の大型イベントでは、大トラブルさえ発生しなければ、成功したも同然ですから」
ちなみに長渕が乗ってきたヘリコプターの風圧でテントが倒れ、中にいた看護師2人が負傷したが、打撲程度の軽症で済んだのも幸いだった。長渕は誰よりも、この看護師たちに感謝すべきかもしれない。
(金田麻有)