尾野真千子(33)は「カーネーション」(11年)のヒロインに選ばれる前から、脱ぐのを拒まない演技派女優として知られていた。「リアリズムの宿」(04年)、「殯もがりの森」(07年)、「ヤーチャイカ」(08年)、「真幸くあらば」(10年)とある作品の中でオススメなのは、迫真のシーンに挑んだ「真幸くあらば」だろう。
尾野はこの作品で、刑務所に入っている同世代の男性死刑囚と、驚くべき「疑似セックス」を展開する。男性死刑囚は独房で、尾野は自分の部屋で、相手を思いながら同時に激しく自慰にふけるのだ。
尾野は満月に照らされた夜、月光を浴びながら下着を取り、全裸になる。そして右手で乳房を揉みしだき、左手で股間をまさぐった。艶めかしく悶え声を上げた末に絶頂に達してしまう尾野の姿は、神々しくすらある。映画配給関係者によれば、
「一生に一度できるかできないかの熱演でしょう。ちなみに、監督には『パンツをはいていてもいいよ』と言われたのに、それでは相手に自分の気持ちが伝わらないからと、自分から全裸でやることにしたとか」