花粉症といえば春先というイメージだが、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみという4大症状に悩むのは春だけと思ったら大間違い。原因となる花粉は50種類以上あり、実は秋にも飛んでいる。秋の花粉症は年々増加しているのだ。
春の花粉症の主流はスギ花粉だが、秋の花粉症の主役は北アメリカ原産のブタクサだ。高さは1メートルほど(オオブタクサは4メートルほどにもなる)で、開花時期は7月から10月頃。約2、3ミリの黄色い小花が複数集まった房が細長く連なる雄花の下に雌花が数個咲く。スギと違って丈も低いので飛散距離は広くはないのだが、繁殖力が強く、道端や空き地、河原などどこにでも生え、全国に広がっている。アメリカでは全人口の5~15%がブタクサ花粉症との統計があるほどだ。
このつらい花粉症の予防には乳酸菌がいいという。名古屋大学医療技術短期大学部の鳥居新平名誉教授が乳酸菌メーカーのウェブサイトで語っている。
「花粉症の症状を持つ被験者に対しての実験で、L-92乳酸菌が症状の改善に有効であることが証明された」
乳酸菌には数々の種類がある。L-92乳酸菌はカルピスが発見したものだが、他にもLGG乳酸菌、LG-21乳酸菌、KW乳酸菌、L-55乳酸菌、ヤクルト菌などがあり、アレルギー症状の緩和の他、ピロリ菌に対する効果や免疫力の強化などの効果のあることがわかってきた。
「乳酸菌の整腸作用により腸内環境が改善され、免疫系のバランスが整えられて活性化する。つまり体質改善されるため免疫力が高まり、アレルギーの花粉症状も緩和される」(中野クリニック・中野正院長)
花粉症を和らげるには、免疫機能を正常に保ち、アレルギー症状を抑えること。いわゆる体質改善が大切なのだ。そのためには、乳酸菌を積極的に摂るといい。
「効果的な乳酸菌を含むヨーグルト100~200グラムを、できれば毎日食べ続ければ、効果が現れ始めます」(フードコンサルタント・河合孝子氏)
より効果を得やすくするためには、花粉症の症状が出る2~4週間前から始めたほうがいいようだが、ヨーグルトなら無理なく摂れそうだ。
(谷川渓)