NHKの朝ドラ「あさが来た」の最終週に大島優子が女性活動家の平塚らいてう役で出演する。今回の起用についてNHK大阪のプロデューサーは、「らいてうのイメージが、大島さんのキリッとして愛らしい面とぴったりだった」と説明しているが、この理由に異を唱えるのは女性誌のライターだ。
「実際のらいてうさんは女性の権利を確立するために積極的に活動し、厳格だった父親とは断絶したほど。意見の違う女性運動家との論争も辞さず、かなり強烈な個性を持った人でした。そんな彼女を“キリッとして愛らしい”と捉えるのはあまりに一面的すぎており、外面しか見ていないように思えます」
そのらいてうは、女性の自由と独立のためには恋愛の自由が必要だとも主張。そんな姿は“恋愛禁止”の女性アイドルとは真逆だ。現在は恋愛解禁の大島だが、「お父さんが好きなんですよ、ファザコンなんです」とも語っており、らいてうの思想とは相いれない様子。そんな大島をNHK大阪は本当にらいてうと重ね合わせているのだろうか? 前出の女性誌ライターはこう語る。
「NHK大阪の局長は『ハツラツとした可愛らしさがドラマの中にそのまま出れば』と語っていましたが、その理由で十分なんじゃないでしょうか。『あさが来た』は視聴率好調で、今さら大島の投入で話題性を作る必要もありません。彼女の起用に裏事情があるのかどうか知りませんが、らいてうのイメージに合っているからと取り繕うと、かえって変な憶測を呼びかねませんよ」
ちなみに、「あさが来た」の主人公は日本女子大学を創設した広岡浅子がモデル。らいてうは同大学の卒業生で、二人が一緒に写った写真も現存するが、広岡については「自分の手腕に自信満々という態度で、押しつけがましく」と評していたという。そんな豆知識を頭に入れて、波瑠と大島の絡みを見るのも面白そうだ。
(白根麻子)