首都・東京のトップを決める都知事選も、いよいよ終盤戦へ。とはいえ、街宣車からたれ流されるのは、似たり寄ったりの選挙公約と念仏のごとき候補者名の連呼の声ばかり‥‥。そんな雑音をかき分け、激しい場外乱闘を繰り広げる三つどもえ候補のドブ板裏肉声をベタ張り特報でお届けする──。
告示2日前、「究極の後出しジャンケン」で一躍、都知事選の主役に躍り出たのが、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)だ。しかし、選挙戦が始まるや一転ピンチに陥っている。
7月18日の昼下がり、鳥越氏は高齢者の聖地・巣鴨の商店街にさっそうと登場した。
「鳥越俊太郎です。東京都知事に立候補しました。おっと、今日は森さんが駆けつけてくれました。皆さん知ってるよね? あの森さんだよ。それでは、さっそくよろしくお願いしまーす」
声を発したのはわずか40秒ほど。即座に40年来の友人という歌手・森進一にマイクをバトンタッチしたのだ。この前代未聞の“瞬間辻説法”に炎天下の中、駆けつけた高齢者からは「ふざけるな!」「早すぎる!」と怨嗟の低い声が響いたほどだった。
「実は集まった聴衆の多くは巣鴨を地盤とする民進党・鈴木庸介衆議院議員が『鳥越さんが、ひとりひとりと対話するから』と動員をかけていたんです。3連休の最終日に強引に集められた支援者がお怒りになるのもごもっともです。演説後に鈴木議員は支援者にひたすら頭を下げ続けました」(民進党関係者)
選挙戦では「私は人の声を聞く耳を持っている」と自負する鳥越氏だが、この支援者の声が届いているのか。さらに鳥越氏を窮地に追い込んだのが、「週刊文春」が報じた「女子大生淫行」疑惑だ。
記事では、14年前に鳥越氏が女子大生に性交渉を強要しようとしたことを暴露している。相手は、当時20歳の女子大生で、鳥越氏は富士山麓の別荘で女性の誕生日を祝い、強引に唇を奪ったという。また、
「バージンだと病気だと思われるよ」
などの甘言で肉体関係を迫り、ラブホテルへ誘ったというのだ。
「当時、鳥越氏はメディア論を専攻する大学教授と親交があり、その関係でマスコミ志望の大学生グループとも飲み会をするなど親睦を深めており、その中の一人に手を出したようです。このスキャンダルは、発生当時に『週刊新潮』が取材に動いていたが、最終的に記事は見送りとなっています」(政治部デスク)
20日、JR蒲田駅前で演説を行った鳥越氏に対し、集まった記者から、「ジャーナリストでしょ? 答えてください」と詰め寄られると、鳥越氏は取り囲んだ側近スタッフにガードされたまま無言で立ち去るのだった。スタッフの一人を追及すると、
「たとえ記事が本当だとしても、準強姦だから時効だろ! 選挙妨害以外の何物でもない」
と、開き直りとも思える弁明をする始末。記事では「強引にキス」とあっただけだが、「準強姦」とは穏やかでない‥‥。
この報道に対し、鳥越氏側は「事実無根」と徹底抗戦する構えだが、イメージダウンは計り知れない。
そもそも、鳥越氏には出馬当初から健康面だけでなく不安がささやかれていた。前出・政治部デスクが語る。
「12日の出馬宣言では、いきなり東京都の出生率が高いと発言し、その直後にスタッフから手渡されたメモを見て『間違えました。全国最低でした』と訂正した。また、『私は昭和15年生まれ。終戦の時は20歳』と自分の生い立ちについてまでおぼつかない始末。激務の都知事職を4年間全うできるか不安視されていた」
知名度優先の候補者選びこそ、迷走の元凶と言えそうだ。
「野党連合は鳥越氏をろくに身体検査しないまま候補に担ぎ出した民進党に不満が爆発している。特に宇都宮健児弁護士を直前で引きずり下ろした共産党は『あれはうちの推薦じゃない、民進党のだ』と激怒している」(前出・政治部デスク)
“反安倍”だけで結束した烏合連合は、もはや空中分解寸前なのだ。