8月7日に行われたリオ五輪の男子サッカー「日本×コロンビア」の一戦は、負ければグループステージ敗退が決まるという日本にとっては背水の陣での戦いだった。結果はなんとか追いついての2-2で引き分け。最終戦に望みをつないだ。
それにしても、試合中も試合後も応援していたファンから嘆きの声がとまらない選手がいる。後半に自身のオウンゴールで、コロンビアにその時点で2点差に広がる追加点を献上してしまったガンバ大阪所属の藤春廣輝だ。
相手チームのシュートをGKの中村航輔がファインセーブで防ぐも、そのこぼれ球を藤春はしっかりクリアできず、自陣のゴールに綺麗にシュートを決めてしまうという痛恨のミス。
これにはさすがに試合を観ていた日本国民全員がひっくり返った。ネット上では即座に「オウンゴールがなかったら勝てた」「オーバーエイジで足引っ張るとか、何しに行ったんだ?」「小学生でもクリアできた」「あ然ぼう然、失笑嘲笑」と袋叩きにあっている。
「ヤフー検索でも“藤春”を検索すると、『下手』『使えない』『戦犯』など、マイナスのワードが予測変換で出てくるぐらい。一生懸命やっているのでしょうが、一生懸命やるだけなら誰でもできる。最終的に同点に追いついて本当によかったですね。もしも負けていたら、どうなったことか‥‥」(スポーツ紙記者)
過激なサポーターの多いサッカー界だけに、批判コメントの中には「藤春は日本でラッキー。これがコロンビアなら殺されているはず」と、かつて相手国のコロンビアで実際に起きた事件と絡めた物騒な書き込みも見られている。
「94年のワールドカップで当時のコロンビア代表キャプテンのアンドレス・エスコバルが決勝トーナメント進出のかかった大事な一戦でオウンゴール。結局、その失点が決勝点となり、コロンビアは1次ラウンド敗退が決まりましたが、エスコバルは母国コロンビアに帰国後に射殺されるという悲劇が起きています。さすがに日本ではあり得ない話ですが、偶然にもこの射殺されたエスコバルは当時27歳、そして藤春も27歳という共通点でも揶揄されているようですね」(スポーツライター)
藤春には日本時間11日早朝のスウェーデン戦で汚名返上、つまり日本の決勝トーナメント進出のために活躍してほしいところだ。
(本多ヒロシ)