15年4月1日に逝去した「大勝軒」創業者の山岸一雄さん(享年80)の「3回忌イベント」に、小池百合子都知事が惜別のメッセージを送るという。小池氏と「ラーメンの神様」との知られざる交流秘話を発掘した。
命日を控えた3月15日に「3回忌『山岸一雄を偲ぶ会』」が開催される。同会を主催する「大勝軒 味と心を守る会」事務局長の小汲哲郎氏が言う。
「亡くなってまる2年がたとうとしていますが、生前にラーメン作りを教わった弟子たちが集まり、あらためて山岸さんへの感謝の気持ちを再認識する場にしたいと考えて企画しました。そこにはかつての常連さんやおつきあいのある業者さんも来場されるので、山岸さんの味と志を継承していくことをみんなで誓い合いたいと思います」
節目のイベントに追悼メッセージで花を添えるのが、生前に交流があった小池氏だ。
「『偲ぶ会』の開催を聞いた小池氏は、すぐに協力を申し出たようです。スケジュールの都合で来場はかなわず、メッセージを寄せることになりました。会のためにしたためた文章は、豊島区の細川正博区議会議員が代読するようです」(都政関係者)
「ラーメンの神様」と言われた山岸さんが東京・東池袋に「大勝軒」を開業したのは1961年。地域の再開発によって07年に閉店するまで「つけ麺」の聖地としてファンに愛された。
「小池さんがお店に通われるようになったのは08年に新店舗ができた頃から。選挙事務所が近いこともあって、小池さんはしょっちゅうお店に顔を出していましたよ」(元従業員)
新店舗のオープン当初は、山岸さんが店の入り口に座って、常連客を笑顔で出迎えていた。
「小池さんは山岸さんに会うのが楽しみで、いつもにこやかに談笑していました。軒先が山岸さんの定位置だったので、小池さんも外のテラス席で名物の“もりそば”をすすっていました」(別の元従業員)
取材の過程で、小池氏と山岸さんの貴重な「蜜月写真」を入手した。しっかりと手を握り合い、屈託のない笑顔を浮かべる2人の様子からは、“アツアツ”の親密度が伝わってくる。提供してくれた「大勝軒」関係者によれば、
「08年頃、体調があまりすぐれなかった山岸さんを気遣い、激励のため新店舗を訪れた際に撮影されたものでしょう。11年に開催された『大勝軒』の創業50周年パーティでも、2人は楽しそうに歓談していました」
当時は国会議員として自民党の要職に就きながらも親交を重ねた小池氏。山岸さんも、その心遣いに応えた。
「山岸さんはどんなに忙しくても、選挙では必ず投票していました。選挙前にはいつも“百合子支持”を表明していましたからね」(前出・「大勝軒」関係者)
現在は都政改革に奔走する小池氏を、山岸さんは天国から温かく見守っているに違いない。