それにしても小池氏の代表就任の効果は絶大だった。最大野党である民進党の「解党」もさることながら、一番の収穫は、懸案だった「選挙資金の問題」を一挙にクリアできたことにほかならない。
「そもそも政党助成金は1月1日の時点で、政党の届出がされていない場合は受け取れない。いわば『希望の党』は丸腰で選挙戦を戦わなければならなかった。ところが、民進党から出馬する予定だった候補者のうち、希望者は『希望の党』の審査を経て公認候補として出馬できるというスキーム(枠組み)を小池氏と前原氏が結ぶことで、100億円とも言われる政党助成金と、連合を中心とする組織票を味方につけたことが大きい」(政治ジャーナリスト)
保守政党を標榜する「希望の党」にとって、民進党出身の候補者は一歩間違えば、“人材”どころか“人災”になりかねないだけに、慎重な「身体検査」が行われる。
「小池さんが代表就任する前から、細野さんを中心に候補者擁立に向けた民進党議員の“身体検査”を内々に行っています。安全保障など政策が一致できるのか、どの議員がリベラル色が強いのか。合流を希望して、すでに断られた民進党議員もいます」(希望の党関係者)
さらに、衆院選に向けて準備が進む中、古参メンバーの大粛清も始まりそうだ。
「今後、自由党の小沢氏も合流予定。前原氏も衆院選には無所属で出馬しますが、加わるのは間違いない。大所帯になって小池氏が頼るのは経験豊富なベテラン議員たち。若狭氏だけでなく、細野氏への信頼度は低く、立場は危うくなる」(政治部記者)
一気呵成に拡大路線をひた走る「希望の党」。その反動から党内粛清もまた過酷になると言われているのだ。