アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領が11月5~7日に来日。迎賓館での夕食会にピコ太郎が同席した時の様子など、滞日中の一挙手一投足が報じられた。
そのトランプ大統領が乗っていた大統領専用車はアメリカから空輸されたもので、こちらも数多くのメディアに掲載されていたが、実はこの専用車がトラックだということをご存じだろうか?アメ車に詳しい自動車ライターが解説する。
「この専用車は大統領を警護するシークレットサービスからは『ザ・ビースト』(野獣)と呼ばれており、その名にふさわしく重量は実に6.4トンにも及びます。その巨大なボディを支えるのは『GMCトップキック』シリーズの強固なシャーシ。同シリーズは車輌運搬車(キャリアカー)やゴミ収集車、ダンプなどのベースに使われており、要するにトラック用のシャーシなのです。これにGMが誇る高級車・キャデラックの車体を載せており、重厚感もたっぷり。その見た目から大統領専用機のエアフォースワンになぞらえて『キャデラックワン』との異名もあります」
まさかアメリカ大統領がトラックを元にした車に乗っているとは驚きだが、大統領専用車はテロリストの襲撃にも耐えられるよう厚さ130ミリの防弾ガラスを備えるなど、その装甲は軍用車並み。これでは普通の高級車をベースにするわけにはいかないのも納得だ。そんな専用車には、普通の車には当然あるはずのパーツがないというのである。
「専用車のドアには鍵穴がありません。これによりキーを奪って開けることはできず、鍵穴をこじ開けることも不可能。ドアの開け方はごく一部のシークレットサービスだけが知っている秘密なのです」(前出・自動車ライター)
そんな無敵の大統領専用車だが、前後のタイヤ間隔(ホイールベース)が長すぎるため、ちょっとした障害物などを乗り越えられず、いわゆる“亀の子状態”で立ち往生してしまうこともあるとか。そんな姿もある意味で「アメリカらしい」のかもしれない。
(金田麻有)