「プロインタビュアー」として幾多の有名人の“素”を掘り下げてきた吉田豪氏。彼だからこそ知っている、意外すぎる師弟関係とは!?
師弟関係も数あれど、中でも“ヤンキー”は、絶対的な上下関係がモノを言う世界だ。「元気が出るテレビ」(日本テレビ)で、テリー伊藤氏にその不良ぶりを見いだされて芸能界デビューを果たした的場浩司(44)も、そんな“ヤンキー芸能人”の一人である。
「数年前、雑誌の元不良芸能人特集で的場さんにインタビューをしたんですが、ワルな過去を一切話そうとしない。『妹を守るために男の車をひっくり返した』というイイ話すら、『そういう過去とは決別したので』と、話すのを拒む。あげく、一人称が『ワタクシ』になっていたことに驚きを隠せませんでした」
的場を変えたものはいったい何なのか。そこには意外な師匠の存在があったという。
「杉良太郎さん(68)と出会って以来、彼を師匠と慕い、キャラが180度変わったようです。実は杉さんは腕っ節が強いことで有名。ヒクソン・グレイシーが来日した時、真っ先に杉さんの家に行くほどの実力者なんです。ベンチプレスも的場さんより上げられるそうで、『オヤジがそんなに上げられるのが悔しいから、ワタクシも鍛えているんです。負けたくないという思いで頑張っています』など、インタビュー中は杉さんの話ばかりでしたね」
芸能界には「たけし軍団」「石原軍団」といったようなわかりやすい師弟関係も多いが、師弟なのか何なのかわからないほど濃密な関係を作ってしまう例もあるという。
「島田紳助さん(57)の『紳助ファミリー』が最たる例。師匠のオンナを弟子間で共有していた、なんてウワサを聞いたこともあります。オンナが入ると“師弟”ではなく“仲間”になるのかもしれませんね」
そんな紳助にも師匠が存在するという。
「紳助さんには実業家としての顔がありましたが、その師匠が板東英二さん(73)。板東さんは副業で大失敗したあと、ビジネスのノウハウを学び『板東英二の金はこうして儲けるんや──とっておき「オレの方法」全公開』という本を出しましたが、紳助さんがそれに感銘を受けたそう。以来、2人で未公開物件の買い方などを話していたそうです(笑)」
一方、芸能界以外で吉田氏を魅了する師弟関係が見られるのは、プロレス界だ。
「とにかく濃密さが芸能界の比ではありません。特にイカした話だと思ったのが、鬼軍曹・山本小鉄さんの話。ある日、道場の若いレスラーたちに『包茎手術をしたらすごくよかった。お前らもしたほうがいい!』と言いだし、皆が続々と包茎手術をしたそう。それ以来、プロレス界では包茎手術が伝統となったといいます(笑)」
プロレス界は練習から興行の移動、宿泊までずっと共同生活が続くことから、「師弟関係ができやすい」と吉田氏は指摘する。さらに、ふだんの生活から寝食を共にする相撲界は、特濃そのものだ。
「以前、貴闘力さん(45)に弟子との話を聞いたことがあります。ある時、弟子がトイレに雑誌を持ったままなかなか出てこない。ノックしても出ないのでドアを蹴破ると、ホモ雑誌を抱えて出てきたそう。そこで貴闘力さんが出した答えが、『女性経験がないからコッチに興味を示すんだろう。女を知れば治るだろう』。で、金を渡してソープに行かせたそうです」
なんと弟子思い(?)だろう。しか~し、
「それからもゲイバーに通っていたようで『ヤバイ、このままでは他の弟子がヤラれちゃう』と思い、結局辞めさせたそうです。『今思えば、悪いことをした』と反省していました(笑)」
女が介在しない濃密な漢おとこの世界──。そこには、ひと言では語り尽くせない熱い物語があるようだ。