佐賀県の唐津ボート場は全長300メートル、全幅160メートル、第1マークのバック側が87メートルもある広大な水面だが、愛知の大ベテラン・大嶋一也はこの唐津を得意中の得意としてきた。
最近3年間にも計37走したが、そのうち1着が何本あったか。正解は26本である。1着率70.3%。2着2本、3着が3本あり、3連対率83.8%。平均スタートはコンマ15。4節走って3度優勝ゴールを駆け抜け、なんと勝率8.59という信じられないような航跡を残してきた。
だが、こうした快進撃はまだ多くのファンに知られていないのだろう。決して安い配当ばかりでなく、1月28日第8R、2号艇からインコースを奪い、木下陽介らを相手に一人旅の逃げを決めたレースが3連単8300円の高配当。同じ日の最終第12R、今村暢孝らを相手にトップスタートで逃げ切ったレースは、2着・黄金井力良、3着・松下直也で3連単1万2130円の波乱を呼んだ。
4月15日【火】~20日【日】、その大嶋得意の唐津で「マスターズチャンピオン」が行われる。昨年まで名人戦の名前で呼ばれたGIである。唐津はピットから第2マークまでの距離も長く、出足型にエンジンを仕上げた選手が、不利な枠からでも内側に入ってくるケースが少なくない。当然、大嶋は前付けに動く。枠番を問わずに狙い撃ってみたい。
◆ボートレース評論家・水上 周
◆アサヒ芸能4/15発売(4/24号)より