芸能

萬屋錦之介の葬儀に集結「3人の妻」のプライド激突/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史

 横浜流星が宮本武蔵を演じる主演舞台「巌流島」が、来年2月から全国8カ所で上演されることが決まった。同作で佐々木小次郎を演じる、歌舞伎役者で俳優の中村隼人は、かつて武蔵役で絶大な人気を博した萬屋錦之介の又甥。

 そんなこともあり、中村は、

「宮本武蔵といえば、大叔父が演じていたイメージが強く、男臭くてカッコいい世界観に憧れていた。自分にしかできない武蔵のライバル、小次郎を作っていければ」

 と、舞台へかける思いもひとしおである。

 中村が言うように、テレビ時代劇「子連れ狼」(日本テレビ系)は20%前後の視聴率をたたき出し、78年に公開された映画「柳生一族の陰謀」(東映)では、日本アカデミー賞で優秀主演男優賞を受賞するなど、萬屋はまさに昭和を代表する名優・大スターだった。

 だが半面、私生活では3度の結婚、事務所倒産、重症筋無力症での闘病と、その生涯はまさに波乱万丈。そんな萬屋が8カ月に及ぶ中咽頭ガンとの闘いの末、64歳で亡くなったのが、97年3月10日だった。

 3月13日の通夜、翌14日に行われた告別式は、異様な緊張感に包まれた。というのも、この通夜には本妻・甲にしきのほか、前妻である淡路恵子、さらに前々妻の有馬稲子も参列。焼香後、報道陣の囲み取材で有馬は、

「今日は伺うかどうか、ずいぶん考えたんですけど、この機会を逃すともうお会いできないと思ったので、勇気をふり絞ってきました」

 結婚生活はわずか4年ながら、いまだ思い出を昇華できないという心情を吐露。

 一方、20年間夫婦として生活してきた淡路は、妹のように可愛がっていた甲に妻の座を奪われたこともあり、報道陣から、献身的に夫に尽くしてきた甲に対する気持ちを聞かれ、

「家内だったら当たり前ですよ。私もそうしました」

 としつつも、

「甲さんの顔は見てませんでしたし、声もかけませんでした。(萬屋の)写真だけを見ていました」

 かつて、自身も萬屋の闘病生活を支えていた当時を思い出したのか、思わず「主人が…」と呟くと、チクリとひと言。

「私と一緒に病気と闘って、あの時は勝ったんですけどね」

 淡路は90年に亡くなった、萬屋との間にできた息子・晃廣さん(享年22)のへその緒を前日、萬屋の弟・中村嘉葎雄に託し、

「あの人、寂しがり屋だし、そうすると怖くないかなと思って。ほかには私、何もしてあげられませんし…」

 と目を伏せた。くしくも葬儀で顔を合わせることになった「妻たち」の言葉には、埋まらない溝を見たような気がした。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

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